十勝におけるハイコウリンタンポポPilosella officinarum の現状
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概要
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ハイコウリンタンポポPilosella officinarum F. Schultz & Schultz-Bip. (=Hieracium pilosella L.)は,近年,各地で定着が確認されているキク科の外来植物である。原産地はヨーロッパで,大西洋沿岸地域を中心に自生している他,近年は北東アジア,北アメリカでも帰化植物として定着している事が知られている(Blamey and Christopher 1989)。旺盛に匍匐枝を伸ばして密生する陣地拡大型雑草の性質を持ち,その高い空間占有性から,侵略的外来生物となる懸念がある。 帯広市においても2011 年に帯広百年記念館駐車場で群生が確認された(持田2012)。その後,市の広報や新聞などで十勝全域における生育情報の提供を呼び掛けたところ(持田2011,北海道新聞2012),20 名を超える方から情報提供の申し出を頂いた。その結果,本種の十勝における生育の現状が明らかとなった。 帯広百年記念館では,提供頂いた生育情報に基づいて現地調査を実施し,本種である事を確認した上で,標本の採集と同定を実施した。本報では,これらの結果明らかとなった2011-13 年現在の十勝における本種の分布状況を報告する。
- 2014-03-31
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