看護職者の「職業キャリア成熟測定尺度」に関する構成概念妥当性の検討
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概要
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キャリア成熟は、Super,D.E.(1957)が提唱している職業的発達 vocational development の概念を発展的に継承したものであり、「発達課題に取り組もうとする個人の態度的、認知的レディネス」(Crites、1978)と定義されている。本研究においては、坂柳(1990)が開発した「成人キャリア成熟尺度(Adult Career Maturity Scales : ACMS)」を基礎に、看護師508名のデータを用いて項目反応理論による項目選定と構造方程式モデリングによる確証的因子分析を行い、看護師用の職業キャリア成熟の測定に寄与する適切な項目配置を検討した。その結果、あらかじめ仮定した3因子斜交モデルのデータへの適合性は、CFIが0.921、RMSEAが0.081であり、また看護職者の職業キャリア成熟における「関心性」「自律性」「計画性」の3因子各4項目で測定できることを明らかにした。本研究においては、看護職者における「職業キャリア成熟」の測定尺度が開発できたが、今後はさらに、前記因子モデルの不変性について検討を継続すると同時に、「職業キャリア成熟」の影響要因やインパクトについての検討が必要なことが推察された。The theory of career maturity advanced by Super (1957) developed out of the concept of occupational development. It is defined as an individuals' attitudinal and cognitive read-iness for developmental challenges (Crites,1978). The present study reviewed the Adult Career Maturity Scales: ACMS developed by Sakayanagi (1990) and examined its construct validity using item response thelry. A confirmatory factor analysis (structural equation modeling) was performed based on the data of 508 nurses. The research questions checkd the number of reliable and interpretable factors in the data set, and clarified the nature of the factors. The fitness of the model was confirmed (CFI = 0.91; SRMR = 0.081) and a three factor model of "concern","autonomy",and "planning" was determined. Future research will test the reliability of this model and examine the causes and effects of career maturity.
- 2013-03-12
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