リンドウ切り花の収穫後生理特性と各種品質保持技術の効果
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概要
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長距離輸送に対応したリンドウ切り花の品質保持技術の開発を目的に,収穫後の生理特性と各種品質保持技術の効果について検討した結果,以下のことが分かった。(1)リンドウ切り花の呼吸量はホウレンソウと同程度であり,比較的多いと判断される。(2)リンドウ切り花はエチレン処理により,花の萎凋の促進,開花障害(花弁がしぼみ,開花しなくなる)がみられ,エチレン感受性が認められる。また,感受性には系統間差が示唆され,エゾ系品種で低く,種間交雑種やササ系品種で高いと考えられる。(3)エチレン阻害剤の品質保持効果には系統間差があり,エゾ系品種では効果が認められず,種間交雑種では効果があり,ササ系品種では高い効果が得られる。エチレン阻害剤としては0。2mMSTSの効果が最も高い。(4)水分補給資材の品質保持効果は3日間の輸送では認められず,5日間の輸送では品種により,効果が得られる。(5)STSの前処理時間は20~25℃,蛍光灯下において最低8時間の処理を行えば,効果が得られる。(6)最適な輸送温度は20℃では花の萎凋,褐変が促進され,0℃では葉の外観評価が下がるため,5~15℃が適すると考えられる。(7)試験を通じ,エチレン感受性,エチレン阻害剤の効果だけでなく,開花期間(収穫時に咲いていた花が萎凋するまでの期間)や開花速度などに著しい品種間差が存在することが分かった。
- 岩手県農業研究センタ-の論文
- 2011-10-00
岩手県農業研究センタ- | 論文
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