山形県における MBI-D 耐性イネいもち病菌の発生とモニタリング
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概要
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シタロン脱水酵素阻害型メラニン合成阻害剤(以下,MBI-D剤)に低感受性で十分な防除効果が得られないイネいもち病菌の発生が2004年に県内の一般圃場で初めて確認された.このため,2005年に県内各地域の圃場から採集された葉いもちと穂いもちの病斑から単胞子分離したいもち病菌について,MBI-D剤に対する感受性検定を行なった.葉いもち病斑からは28地点中11地点,穂いもち病斑から22地点中13地点で耐性菌が検出され,調査した19市町村中10市町村で耐性菌の発生が確認された.2005年の広域的な耐性菌発生を受けて,県内におけるMBI-D剤の使用割合は2005年の33%から2008年には2%に減少した.しかし,その後も耐性菌の発生は県内各地で認められ,2006年には36市町村中27市町村に拡大した.また,県内の種子生産組織の2005~2007年産種籾において耐性菌が検出され,種子による伝染拡大の可能性が示唆された.
- 山形県農業総合研究センターの論文
- 2011-03-00
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