薬剤防除圧の異なる茶園におけるクモ類の種構成
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概要
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薬剤防除圧の低い環境保全型茶園で特徴的に現れるクモ類の種を明らかにすることで,農地環境の健全性を示す指標種を選抜することを目的とし,薬剤防圧の異なる茶園においてクモ類の種構成とその発生状況を,茶樹上部と地表部にわけて調査した.叩き落とし調査により茶樹上部からは20科36種,ピットフォールトラップ(PFT)調査により地表部からは18科34種,合計24科57種のクモ類が捕獲された. クモ類の合計捕獲頭数は,叩き落としとPFT調査ともに,慣行防除区に比べて,減農薬区,無農業区で多い傾向が認められた.薬剤防除圧の低い茶園で特徴的に多く現れる指標種としては,叩き落としとPFT調査において,ユウレイグモ属クモ類とウズグモ属クモ類が,PFT調査においてヒノマルコモリグモが候補として選抜された. 叩き落としによるクモ類の捕獲消長を調査した結果,調査期間を通じて無農薬区>減農薬区>慣行防除区の順で捕獲頭数が多く,発生ピークは7~8月であった. PFTでは,叩き落としほど顕著ではないが,慣行防除区と比較して,減農薬区,無農薬区で捕獲頭数が多く,発生ピークは7~8月であった.
- 静岡県農林技術研究所の論文
- 2011-02-00
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