光強度がチャ新芽の葉色および成分に及ぼす影響
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概要
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恒温器内で茶ポット苗に光強度(PPFD:O.2.7.70.1300μmolm-2S-1)を変えて照射し,新芽の葉色および成分の変化を調査した。また,一番茶の約2葉期から3週間,遮光率(0%,85%,98%,100%)を変えて直接被覆を行い,PPFD,新芽の葉色および成分の変化を調査した。新芽の葉色はPPFD:70μmolm-2s-1照射が最も濃緑化し,PPFD:7.2μmolm-2S-1照射は淡緑となり,PPFD:0μmolm-2s-1(暗黒)は白黄化した。また,遮光試験では85%遮光が最も濃緑化し,98%遮光はやや淡緑となり,100%遮光は白黄化した。日中の平均PPFDは,露天区は930μmolm-2s-1,85%区は112μmolm-2s-1,98%区は7μmolm-2s-1,100%区は0μmolm-2s-1であり,遮光率が高いほどPPFDは低下した。また,雨天日のPPFDは晴天日の1割程度であり,雨天日は85%遮光下と同程度,雨天日の85%遮光下は晴天日の98%遮光下と同程度のPPFDを示した。新芽のアミノ酸含有量はPPFDが低いほど,また,遮光率が高いほど増加した。特に,100%遮光はアミノ酸含有量が被覆開始時に比べて2倍以上増加し,アルギニンは約3倍,セリンは約4倍,アスパラギンは約50倍増加する傾向が見られた。新芽のカテキン類含有はPPFD:1300および0μmolm-2s-1(暗黒)がPPFD:70μmolm-2s-1に比べて多く,一方,カフェイン含量はPPFDが低いほど,また,遮光率が高いほど増加した。以上のことから,新芽の葉色はPPFDの低下に伴い濃緑化し,PPFD:7~2μmolm-2s-1程度で淡緑化し,PPFD:0μmolm-2s-1では白黄化するとともに,新芽のアミノ酸含量が著しく増加することが明らかとなった。
- [出版者不明]の論文
- 2011-06-00
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