静岡県牧之原地域における2010年3月30日凍霜害の茶園内被害分布調査 (2010年凍霜害関連)
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概要
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2010年3月29日夜から30日朝にかけて静岡県中部地方を中心に寒気が流入したことにより,県内各地で凍霜害が発生した。AMeDAS菊川牧之原の気温は,30日午前2時30分に0℃を下回り,その後午前6時50分まで4時間以上にわたって氷点下となり,最低極温は-1.3℃(午前5時50分)を記録した。茶業研究センター内の新芽生育期は,'やぶきた'は萌芽期前~萌芽期おおいわせ'は萌芽期~開業期と早い時期であり,耐凍性もある程度残っていると予想されたが,多くの芽が被害を受け,壊死した芽も相当数生じるなど甚大な被害が生じた。防霜ファンでは,設置範囲内の新芽被害を完全に防ぐことはできなかったが,強い被害を受けた茶園でもファン前方の一部は被害が軽い場合が多かった。一方,ファンから遠い茶園周縁部は強い被害を受けたため,1区画の茶園の中に大きな被害差が生じ,その後の回復程度にも大差が生じた。センター外の茶園においても,複数地域においてこのような被害態様を示した。今回はファン設置時に想定された設計値以上の低温であり,防霜ファンの効果が茶園内の一部に留まったことは今回の凍霜害の甚大さを明確に示している。また,過去の凍霜害においてはこのような被害態様について詳しく述べられていない。そこで本稿では,今回の凍霜害の特徴である1区画の茶圏内における被害状況の差異を詳細に調査したので報告する。
- [出版者不明]の論文
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