樹幹注入によるデイゴヒメコバチの防除効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
デイゴは、鮮紅色の花を咲かせ南国を象徴する沖縄県の県花であり、街路樹や学校、公園などに広く植栽されている親しみ深い花木である。また、観光資源としても大きな価値があり、さらに幹材は琉球漆器の材料として重宝されている。デイゴヒメコバチによるデイゴの虫えい被害は2005年5月に石垣島で確認されて以降、同年に宮古島、沖縄本島でも確認され、南西諸島に急速に拡がった。本種の被害は世界のデイゴ属分布域で発生していることが報告されており、枯死するデイゴも発生するとされる。本種の防除に関してはハワイと台湾でイミダクロプリド成分を含んだ薬剤の散布が実施されており一定の効果はあるが、決定的な対策にはなっていない。筆者はイミダクロプリド成分の薬剤は本種の成虫に対しては殺虫効果は高いものの虫えい内のステージに効果は認められない事を報告した。また、デイゴは主に街路樹や学校等の公共施設に植栽されているため、薬剤散布による駆除は、ドリフトによる人畜や自然環境に対する影響等が懸念されるため、使用できる場所は限られている等の課題がある。そこで人畜や環境への影響が少ない樹幹注入により数種の薬剤についてスクリーニング調査を行い、アトラック液剤(井筒屋化学株式会社)に虫えい内のステージに対しても高い殺虫力と効果の持続性が確認した。今回は成木に対してヒメコバチの防除試験を行ったので、その結果を報告する。
- 2008-00-00
著者
関連論文
- 沖縄県宮古島のリュウキュウマツ枯死木およびマツノマダラカミキリからの Bursaphelenchus 属線虫検出調査
- 沖縄県の松くい虫防除戦略--防除戦略の策定とGISを活用した戦術(既存防除技術の適用法)の構築
- 豚人工胃液および牛ルーメン液に対するマツノザイセンチュウの動態
- 山菜としてのゴウシュウタニワタリの林間栽培について--摘葉方法別の発生状況
- マツノマダラカミキリの天敵クロサワオオホソカタムシに関する研究
- 沖縄におけるデイゴヒメコバチの発生と防除に関する報告
- 樹幹注入によるキオビエダシャク防除試験
- 樹幹注入によるデイゴヒメコバチの防除効果
- 樹幹注入によるキオビエダシャク防除試験
- 樹幹注入によるデイゴヒメコバチの防除効果
- 山菜としてのゴウシュウタニワタリの林間栽培について--摘葉方法別の発生状況
- マツノマダラカミキリの天敵クロサワオオホソカタムシに関する研究
- 豚人工胃液および牛ルーメン液に対するマツノザイセンチュウの動態