地下流水音を用いた崩壊発生場所の予測について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
従来、雨水は土層を降下浸透し、不透水基盤へ到達すると基盤上で飽和帯が形成され、この飽和帯が拡大することで崩壊が生じると論じられてきた。この考え方でいくと崩壊は飽和帯の拡大する斜面の脚部、または、地下水の集中する谷で発生することになる。また、地形が尾根型の斜面では崩壊は発生しないことになる。しかし、現実の表層崩壊は集水面積のほとんどない分水界付近で発生するものや、尾根型斜面で発生するものもある。一方、降雨と崩壊発生のタイミングについて考えると、崩壊は降雨強度のピーク付近で発生することが知られている。本稿では山地において簡便に水みちを調査する方法である地下流水音探査法について紹介する。また、崩壊位置と水みちの関係について考察し、水みちなどの不均一要素を適切に評価できれば、崩壊発生位置の予測精度を向上できることを示す。
- 水利科学研究所の論文
- 2008-00-00
著者
関連論文
- O12.岩手宮城内陸地震による一迫川上流部の崩壊発生とバレーバルジング(一般研究発表会発表(口頭発表),2009年度秋季研究発表会)
- 2007年9月4日の集中豪雨により鳥取県琴浦町で生じた斜面崩壊の特徴
- 観測の現場を訪ねて(19)鳥取県の花崗岩斜面における表層崩壊の観測--崩壊発生に関わる鍵層の分布に着目した崩壊現象の観測
- 風化花崗岩斜面で発生する表層崩壊の位置と形状を規制する要因
- 異なる林相及び森林伐採状況における樹木地上荷重の斜面安定に及ぼす影響
- 閉塞条件の異なるパイプを有する斜面における間隙水圧分布の再現
- 崩壊斜面滑落崖に見られるパイプの形成に関する一考察
- パイプの存在が斜面崩壊に与える影響の実験的検討
- 鳥取県の花崗岩斜面における表層崩壊の観測 : 崩壊発生に関わる鍵層の分布に着目した崩壊現象の観測
- 分割型ランマーを用いた簡易貫入試験機の分解能の向上
- 地中水みちと崩壊発生位置の関連性
- 簡易貫入試験機の分割型ランマーの試作とその性能評価
- 貫入ロッド引抜き器の試作
- 地下流水音による崩壊発生位置の予測
- 2008年岩手・宮城内陸地震前後における災害地周辺の先行土湿
- 簡易貫入試験機の分割型ランマーの試作とその性能評価
- それでもピサの斜塔は倒れない知れば誰かに話したくなる地中のこと, 応用地質株式会社編著, 幻冬舎, 2007年9月, 223ページ, 1,365円(税込), ISBN978-4-344-99595-6(ブックス,Information)
- 山の崩れる場所を探す(森をはかる その37)
- 近年の土砂災害 2004年三重県宮川村で発生した土砂災害
- 地下流水音を用いた崩壊発生場所の予測について
- AM05-18-008 2004年三重県宮川村での斜面崩壊のシミュレーション(水および土砂災害2,一般講演)
- 2008年岩手・宮城内陸地震による一迫川上流域の崩壊発生環境
- 2009年に山口県防府市周辺で発生した崩壊の歴史的背景
- 森林斜面土層の透水異方性
- 平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震による土砂災害の概要とその特徴
- 地下流水音を用いた崩壊発生場所の予測について
- P6. 紀伊山地中央部神納川上流域における崩壊特性の時代変化(一般研究発表(ポスター発表),2013年秋季研究発表会)