ImmunoStrip(TM)Cmmを利用したトマトかいよう病菌の簡易な分離方法
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概要
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トマトかいよう病は、Clavibacter michiganensis subsp.michiganensis(以下Cmm)によって起こる細菌病である.岡山県の雨除け栽培夏秋トマト産地では、本病が毎年発生する圃場がある.このような圃場ではCmmの伝染環が成立しており(Kawaguchi et al.2010)、本病の蔓延を防止するためには発症株に気付いた時点で迅速かつ正確に診断し、防除対策を早期に講じることが重要である.これまでに本病の診断やCmmの検出法として、抗血清の利用(小畑・山本、1967)、選択培地法(白川・佐々木、1988)、酵素結合抗体法(白川・佐々木、1990)、PCR法(Dreier et al.、1995)、DIBA法及びTPI法(石井・嶽本、2001)などが報告されているが、これらの方法は、診断、検出するための機材や多くの操作が必要であることから、より簡便で効率的な方法が求められている.上記のような要望に応えるため、アメリカagdia社からトマトかいよう病の診断のためのImmunoStrip™;Cmm(以下IS)が市販されている.ISは、診断のための操作が簡便かつ短時間で行えることが特長である.しかしながら、ISによる簡易、迅速診断後に厳密な同定が必要な場合や陽性個体から、その後の実験に用いるための菌株を確保したい場合には、診断に供したトマト株から別途Cmmを組織分離する必要があった.ISは、イムノクロマト法を利用した診断法であり、陽性反応を示した場合は、その反応部分に抗原であるCmmが特異的に捕捉されている.そこで、筆者らはISの反応部分からCmmを簡易に分離する方法(IS分離)について検討したので報告する.
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