加工用トマト新品種「らくゆたか」の育成とその特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1.「らくゆたか」は長野県中信農業試験場(農林水産省そば等育種指定試験地)において、1994-2002年に、手取り収穫適性、多収性などを目標に育成された一代雑種である。2003年9月に「とまと農林交31号」として登録され、命名された。2.育種素材には「NDMO51」、「93PLF3」を選定し、交雑育種法により花粉親系統「PLS6-6-3-2-1」を育成し、種子親には当場育成の「しゅほう」(とまと農林交21号)の種子親系総「10-8-4-3-7」を用いた。これらの育成系統間のF1を有望と認め、各種適応性検定試験を実施し、手取り用実用品種として有望であると評価された。3.「らくゆたか」の特性の概要は次のとおりである。草姿は心止まり型で無支柱栽培に適し、開張度は175cm内外でやや大きい。枝分け作業が必要となる時期における草型は立性である。早晩性は中晩生種に属する。手取り収穫による収量は安定して多く、国内トップレベルである。果実は120g内外のやや偏平球で、堅い。ジョイントレス果柄を有し、へた離れが良く、手取り収穫適性が高い。果汁の品質は従来品種とほぼ同等で、ジュース加工適性が高い。萎凋病のレース1とレース2、半身萎凋病のレース1に対して複合抵抗性を有する。4.適応地域は中部高冷地で、茎葉が繁茂しやすい温暖地には不向きである。長野県は2003年度に普及に移した。5.栽培上の留意点は、開花最盛期頃の草姿がやや立性であるので、枝分け作業を早めに2回行い、過繁茂を防止し、着果と果実肥大を促進させることと、確実に着果させるための健苗育成、植え傷みの防止、着果ホルモン剤による着果促進を図ることである。
著者
関連論文
- ソバ新品種「タチアカネ」の育成と特性
- 抵抗性ダイズ品種「ペキン」の前作による後作ダイズのダイズシストセンチュウ害軽減効果
- 核遺伝子型雄性不稔性を有する'ピーマン中間母本農1号'の育成とその特性(育種・遺伝資源)
- ホールトマトに適した'トマト桔梗交36号'の育成経過とその特性
- 雄性不稔性を有する中間母本系統'ピーマン桔梗13号'の育成経過とその特性
- ソバ新品種「開田早生」の育成とその特性
- ソバの客観的品質評価法について
- ソバの客観的品質評価法について
- SBSE濃縮法を用いたそば香気成分の分析
- カリウム施肥が普通ソバの受精率に及ぼす影響
- 品種, 施肥量および播種密度がソバの倒伏発生に及ぼす影響
- 短節間性トマト系統の栽培管理作業別労働量
- 有機物及び三要素肥料の長期連用がソバの生育・収量に及ぼす影響
- 長野県におけるソバ栽培の現状と試験研究の取り組み(テーマ「ソバ研究・栽培の魅力と問題点」)
- ダッタンソバにおける子実生生産能力の品種間差異
- (225) 弱毒キュウリモザイクウイルス(CMV)KO2, NDM-1のトマトモザイク病に対する防除効果 (日本植物病理大会)
- 甲信越地方における在来豆類・在来ソバの探索収集 (「平成9年度地域振興スクリーニング委託事業」による国内探索)
- Root Length and Distribution of Field-Grown Buckwheat (Fagopyrum esculentum Moench)
- 加工用トマト新品種「らくゆたか」の育成とその特性