西北海道・胆振地方の森林内におけるエゾシカ生息密度

概要

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北海道の胆振地方におけるエゾシカ（Cervus nippon yesoensis)の生息密度を推定した。苫小牧北部の北海道大学苫小牧研究林（苫小牧研究林）、林野庁胆振東部森林管理署苫小牧内（苫小牧国有林）および糸井部内（糸井国有林）の3ヵ所の森林内に15.8kmから25.1kmのセンサスルートを設定した。2001年11月に各調査地5回ずつ夜間にライトセンサスを行い、発見したシカの頭数・場所・センサスルートからの距離を記録した。その結果、シカを合計37回、のべ79頭を確認した。シカは同じ場所で繰り返し見つかる傾向にあった。Bookhout(1994)の生息密度の推定法に従って、シカの生息密度を算出したところ、苫小牧研究林では3.8±3.4頭／km2、苫小牧国有林では3.4±1.5頭／km2、糸井国有林では1.9±1.5頭／km2、これらの地域全体では3.0±2.3頭／km2と推定された。調査地間では生息密度に有意な差はなかった。また、センサスルート10kmあたりのシカの発見数（生息密度指数）は苫小牧研究林では3.4±3.1頭、苫小牧国有林では3.0±1.3頭、糸井国有林では1.7±1.4頭、地域全体では2.7±2.1頭となった。生息密度指数は生息密度の約90％の値を示した。