油症診断基準(2004年9月29日補遺)の策定の経緯
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概要
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1968年,polychlorinatedbiphenyls(PCBs)に汚染されたカネミ米ぬか油の摂食によって油症は発生した.その後,油症治療研究班によってPCBのみならず毒性の高いpolychlorinateddibenzofurans(PCDFs)などのダイオキシン類も検出されることが判明し,油症はPCBとダイオキシン類化合物による複合中毒と認識されるようになった.油症の発症初期には,全身倦怠感,食欲不振,頭重感などの非特異的な全身症状にひきつづいて,油症に特徴的ないくつかの症状や所見,すなわち腫脹した上眼瞼と特有の眼脂過多,暗褐色の爪の着色,歯肉部の黒褐色の色素沈着,ざ瘡様の皮疹,黒色面飽,下肢の知覚過敏または鈍麻などの末梢神経障害,月経不順,乳幼児の成長遅延などが出現してきた.しかし,油症発生以来すでに30年余を経た今日では,初期にみられたこのような特徴的な所見はほとんど軽快し,消失している.ただし,病初期に典型的な所見を示した油症の重症度IV度の症例のなかには,今日でもなおいくつかの所見や自覚症状を訴えるものがある.一般向けの説明サイトである「油症の検診と治療の手引き」(http://www.kyudai-derm.org/yusho/index.html),ならびに油症に関する邦文の学術的総説書である「油症研究-30年の歩み-」(http://www.kyudai-derm.org/yusho.kenkyu/index.html)も参照していただきたい.また英文の学術的総説書である「Yusho-AhumandisastercausedbyPCBandrelatedcompounds.」(http://www.kyudai-derm.org/yusho.kenkyu_e/index.html)も是非お読みいただきたい.
- 福岡医学会,Fukuoka Medical Associationの論文
- 2005-05-25
著者
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