油症患者体内のPCBおよびPCDFの35年間の挙動と毒性影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1968年,ポリ塩化ビフェニル(PCB)中毒事件が北部九州一帯で発生し,認定患者数は1860以上であった.それはカネクロール(鐘淵化学が製造したPCBの商品名)が混入されたライスオイルを食用油として摂取したために発生したので,油症と呼ばれている.そのライスオイルにはPCBだけでなく,PCBの加熱により発生したポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)およびポリ塩化クオータフェニル(PCQ)も含まれていた事が後になって分かった.結局,油症はPCB,PCDF,PCQ混合物による中毒であった.油症患者が摂取したPCB,PCDFの30年以上の長期間にわたる体内の挙動およびそれに伴う毒性影響について総説する.
- 福岡医学会,Fukuoka Medical Associationの論文
- 2005-05-25
著者
-
原口 浩一
北海道医療大学 薬学部
-
原口 浩一
第一薬科大学
-
増田 義人
第一薬大・健康化学
-
増田 義人
第一薬科大学薬学部
-
増田 義人
Daiichi College Of Pharmaceutical Sciences
関連論文
- 2,2',5,5'-四塩素化ビフェニル(CB52)のウサギ肝ミクロゾームによる代謝
- 2,3',4,5,5'-Pentachlorobiphenyl(CB120)とその予想代謝物の合成
- 油症などにみられるPCB, PCDF の人体に対する毒性影響
- 611 純系マウスにおける2,3,7,8-四塩化ダイベンゾダイオキシンの比較中毒学的研究(有害有機物,一般講演,第58回日本産業衛生学会・第38回日本産業医協議会)
- 市販鯨肉製品における重金属及び有機塩素系化合物の汚染実態調査
- 2,3,3',4,4'-五塩素化ビフェニル(CB105)のハムスターにおける代謝
- 原子発光検出ガスクロマトグラフィーを用いた環境中塩素系有害物質の分析
- 2,3',4,4',5五塩素化ビフェニル(CB118)のモルモット肝ミクロゾームによる代謝
- 2,2',3,4',5,5',6-七塩素化ビフェニル(CBl87)の主代謝物の合成
- 2,2’,4,5,5’-五塩素化ビフェニル(CB101)のラット,ハムスターおよびモルモット肝ミクロゾームによる代謝
- 油症患者体内のPCBおよびPCDFの35年間の挙動と毒性影響
- Kanechlor-500のラット, マウスの血清中ホルモン濃度に及ぼす影響
- 油症発生より38年間の患者血液中PCBs,PCDFsの濃度変遷
- ベンゾ〔a〕ピレン〔G-3H〕を用いた食品中のベンゾ〔a〕ピレンの定量
- ベンゾ〔a〕ピレン〔G-3H〕を用いた食品中のベンゾ〔a〕ピレンの定量
- 慢性油症患者における頭痛,四肢異常感と血中PCB (油症とPCBに関する研究)
- 完全塩素化法による塩化ジベンゾジオキシンおよび塩化ジベンゾフランの定量
- Polychlorinated Biphenyls,Polychlorinated DibenzofuranおよびPolychlorinated Dibenzodioxinのウサギ耳塗布による過角化作用の比較 (油症とPCBに関する研究報告集-5-)
- 11. ノンカーボン複写紙中の塩化ビフェニールについて (日本産業衛生協会九州地方会)
- ダイオキシン2000国際会議
- 9. 塩化ジベンゾフランの各種異性体による酵素誘導作用 (昭和56年度九州地方会)
- ポリ塩化ビフェニ-ルの加熱によるポリ塩化ジベンゾフランの生成 (油症とPCB)
- カネクロ-ルおよび油症患者使用ライスオイル中の塩化ジベンゾフラン[英文] (油症とPCBに関する研究報告集-5-)
- ダイオキシン類によるリスクの評価
- ダイオキシン汚染と健康影響
- ダイオキシン類と毒性 : 増田義人先生に聞く
- 環境汚染物質と分析化学の進歩
- 超微量分析より保健環境問題を考える : 油症原因物質の分析
- 2.ダイオキシン・PCB
- ポリ塩化ジベンゾジオキシン及びジベンゾフランの環境汚染
- マウスにおける塩化ジベンゾフランの亜急性毒性 (油症とPCB研究報告-7-)
- 2,2',3,4,4',5'-六塩素化ビフェニル(CB138)のモルモットにおけるin vivo代謝 (油症とPCB及びダイオキシン関連化合物に関する研究報告集(第23集))
- 同位体希釈法によるタール製薬剤中のベンゾ[a]ピレンの定量
- A Novel Synthesis and Carcinogenicity of Dibenzo[a, l]pyrene
- 海洋生物由来の2,4,6-tribromoanisoleの動物肝ミクロゾームによる代謝とその関連化合物の抗酸化活性
- 油症患者におけるPCB異性体の30数年間にわたる特異な残留
- 2,2',3,4',5,5'-六塩素化ビフェニル(CB146)のin vitro代謝の動物種差
- ラットおよびモルモットの小腸と腎におけるノビレチンの代謝