鹿児島大学高隈演習林の森林流域における25年間の流況変化
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概要
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Some hydrologic observations were carried out in the forested catchments covered with volcaniclastic materials and situated in the Takakuma Experimental Forest of Kagoshima University. The purpose of these observations is to understand quantitatively the runoff phenomena in the forested catchments in volcanic areas. In this paper, temporal variation of flow regime in the No.1 Takakuma experimental catchment have been analyzed using the hydrologic data gathered over 25 years from 1984 to 2008. The No.1 Takakuma experimental catchment was often hit by ash falls caused by the volcanic activity of Sakurajima from 1984 to 1995. The ash falls caused a series of phenomena, such as the lowering of infiltration capacity, increase of surface runoff, and increase of runoff ratio. As a result, the difference between plentiful water discharge and scanty water discharge increased, and uniformity of streamflow became gradually lower. On the other hand, the uniformity of streamflow went up gradually as the ash falls decreased from 1996. The ash falls caused by the volcanic activity of Sakurajima have strongly influenced the runoff of the surrounding forested catchments.著者らは,鹿児島大学農学部附属高隈演習林内の火山砕屑物に覆われた森林流域において1984年から水文観測を継続している。この観測の目的は火山地域における森林流域の流出現象を定量的に解明することである。本論では,1984~2008年の25年間に得られた水文データを用いて,高隈第1号試験流域の流出特性の変遷を解析した。試験流域は,1984年から1995年にかけて,桜島の火山活動に伴う降灰にしばしば見舞われた。林地に堆積した火山灰は浸透能低下や表面流発生を引き起こし,さらに降灰が激しいときは林地にリル・ガリー侵食を起こした。その結果,豊水時と渇水時の流量差が経年的に増大していき,流出の一様性は低下した。一方,1996年から降灰が少なくなるにつれて,流出の一様性は向上した。桜島の火山活動に伴う降灰は,周辺の森林流域の流出に強く影響していることが明らかになった。
- 2010-03-01
著者
-
地頭薗 隆
鹿児島大学農学部
-
下川 悦郎
鹿児島大学農学部
-
寺本 行芳
鹿児島大学農学部
-
下川 悦郎
砂防工学研究室
-
下川 悦郎
鹿児島大学農学部砂防学分野
-
下川 悦郎
Faculty Of Agriculture Kagoshima University
-
地頭薗 隆
Faculty Of Agriculture Kagoshima University
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