高等学校家庭科における学習者の家事労働に関する認識の変容 : 「自分と家族との関わり」を意識づける授業をとして
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概要
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本研究では, 家事労働の理論の検討をもとに授業実践を行い, 生徒の家事労働の認識構造をとらえ, 授業のねらいがどのように達成されたか検討することを目的とした。授業後のワークシートの記述内容を分析した結果, 次のことが明らかになった。①家事労働の認識として価値的認識がもっとも多く発現し, 家事のケアの側面に気づかせる本時のねらいはほぼ達成された。②家事労働に関する認識は, 感覚的認識から功利的認識, 価値的認識, 社会的認識へと変容がみられた。③授業の意見交換と資料の読みとりによって, 自分の生活を振り返る記述や, 家事労働に関わる家族に目を向ける記述が表出し, 自分と家族の関わりから生活のあり方をとらえる認識の萌芽がみられた。The objectives of this study were to clarify learners' understanding about household work and to see how the objectives of Home Economics lessons are achieved. Lessons about household work which were focused on relationships with one's family were given in a high school. 119 student descriptions on lesson worksheets were analyzed. From these data, the learners' understanding was categorized into four domains: feeling, utility, valuing, and social domains. These domains had a hierarchical structure. Sharing and discussing issues with the teacher or classmates led the learners to think of various viewpoints toward housework. The learners could deepen their understanding about household work through the lessons which gave them chances to think about caring relationships.
- 日本教科教育学会の論文
- 2008-03-25
著者
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