被服製作実習における授業プロンプトの有効性の検討 : 浴衣製作実習における学生の記述分析を通して
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概要
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本研究では, 浴衣製作実習において教師が提示した各授業プロンプトの有効性を検討することを目的としている。12回の実習授業で, 浴衣製作活動における学びを促すために教師によって提示された授業プロンプトの意味を学習者がどのようにとらえたか, その中で何を学んだかを28名の大学生の記述から分析した。その結果, 多くの学生は教師が提示した授業プロンプトから教授意図を理解し, それらを主体的かつ詳細にとらえ直していた。学生が記述した学びの内容は, 各種縫製技能や身体構造と被服構成などの実質的な事柄の他, 段取りの工夫や危険の回避など生活に必要な力も含まれていた。また繰り返し作業と繰り返しのない難易度の高い作業のいずれにおいても, 自己の内面的な変化への気づきや素材および道具, 技能と自分との関係性をみつめる記述がみられた。The aim of this paper is to investigate the effectiveness of teachers' instructional prompts when students are doing yukata sewing. This was done by analyzing 28 students' descriptions of their interpretations of prompts and what they learned in each of 12 lessons.A lot of students understood the teacher's intention and interpreted the prompt individually, and in detail. They acquired not only practical sewing skills and knowledge of the materials used, but also abilities which are necessary for daily life, for instance, the procedure for sewing and how to avoid dangerous situations.In repeating dull work as well as in doing difficult independent work, a lot of students reported awareness of their internal transformation and showed insights into the relationship between what they learnt about sewing, and themselves.
- 日本教科教育学会の論文
- 2003-12-30
著者
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