子供をもつ壮年期女性の乳癌発病後の役割意識の変化
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概要
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This study examined the changes in role perception experienced by breast cancer patients with children, analyzing how they accepted themselves as a sick person and how they perceived themselves as a mother. Data were collected by an interview and analyzed by qualitative and inductive methods. Finding showed six types of changes in role perception, with each type containing a particular meaning for the patients. Five types of maternal role perception were also found specifically for the mothers suffering conflicts in accepting their sick role. These findings indicate that nurses should take due consideration when providing adequate care to their breast cancer patients.アイデンティティの確立していない子供をもつ壮年期女性の乳癌発病後の役割意識の変化を、病者役割の受け入れと母親役割意識に焦点を当てて、質的帰納的に分析した。役割意識の変化は、母親役割意識と病者役割意識の関係から6群に分類され、母親役割意識内容に特徴があり、群によって乳癌のもたらす意味が異なった。乳癌のもたらす意味は、母親役割葛藤群では母親としての自己を脅かすもの、母親役割拡大群では母親役割維持のために克服するもの、母親役割目覚め群では母親役割の中に取り込み共存するもの、母親役割成長群では母親としての成長を促すチャンスとなるもの、自己改革群では自己自身の生き方を問うもの、変化なし群では簡単に乗り越えられるものであった。また病者役割の受け入れに葛藤を有する母親役割意識は、葛藤の特徴から、母親役割の強要による葛藤、代替不可能な母親役割の脅かしによる葛藤、乳房喪失による葛藤、子供への悪影響による葛藤、死を自覚した母親役割の葛藤の5つの葛藤を有する母親役割意識に分類された。以上から、子供を持つ乳癌患者に対する看護のあり方は、1)病状を正しく認識するための援助、2)患者の役割意識を考慮した援助、3)外来通院時の積極的働きかけの3点を重視する必要がある。
- 岡山大学医療技術短期大学部の論文
- 1997-01-31
著者
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