アメリカの小学校に見る品性徳目教育とその運用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
This paper is to introduce the actual management of Education in one public elementary school in Kansas City, U.S.A., according to the teachers' management plans of this school, printed matters for students and some textbooks about character education for teachers. Additionally this paper shows the change of moral education in the U.S.A, the comparison of traditional moral education with character education and teachers' checklists to facilitate class descussion. Character education manages in school district units beyond class, grade and school. As a result, all elementary schools, middle schools and high schools of this district have the same target cahracters. They study eight-target characters for a school year. This discussion aims to develop not only the moral judgement ability but also the practical one. These charactres were used to estimate children's extracurricular and volunteer activities and to contact their parents about students' problem bahavior. They might believe that communities and families work everyday to instill the same kinds of character in children. Therefore character education functions schools, parents and communities work together to further their goals as they work to help build a kinder and more responsible.本稿は、アメリカで近年取り組み始めた品性徳目教育について、著者の子どもたちをアメリカの小学校に通わせた体験、あるアメリカの小学校で実際に用いられている校内研修用資料、一般書店で販売されている教師用手引をもとに、品性徳目教育の内容と実際の学校での運用を具体的に紹介するものである。内容的には、アメリカの道徳教育の変遷、品性徳目教育と従来の道徳教育との比較や学校での実際の運用の仕方、クラス討論の仕方に関する資料を取り上げた。アメリカの学校で行われている品性徳目教育は、学校やクラスごとに定められたものではなく、学校区全体で定められ、幼稚園から高校まで共通となっている。小学校では、毎月一つずつ取り上げて討論し、道徳的思考力を高めるだけでなく、実際に行動できるように実行力を養うことに力が入れられている。係の仕事の評価、問題行動の更生のためにも品性徳目がベースとなっており、児童の問題行動について保護者とコミュニケーションを取る際にも役立っていた。未来の良き市民と育成することを目標に、親切でより温かみのある、責任感ある地域社会をつくるため、地域と学校が品性徳目を要として連携し、子どもを育んでいこうとする姿が窺えた。
著者
関連論文
- 真の「勇気」とは何か : 品性・品格教育についての講演の記録
- 幼児のコミュニケーションを促進する働きかけと返答について : 小一プロブレム解消への示唆を中心に
- 品性・品格を育む教材の教師による評価の分析
- 積極的生徒指導を考える(2) : 社会性と情動の学習(SEL)と品性・品格教育(Character Education)の実践例をもとに(自主シンポジウムF7)
- 教師にとっての「扱いにくい子ども」の特徴について : 自由記述のテキストマイニングを通して
- 創造性教育を通じてPISA型学力をつける(自主シンポジウムH3)
- 積極的生徒指導を考える : 社会性と情動の学習(SEL)と品性・品格教育(Character Education)の実践例をもとに(自主シンポジウムG4)
- 改めて学びの意味を問う
- 児童のゲーム使用時間と感情, 仲間集団との関連 : 自宅近くの仲間の多さを考慮した日中比較
- K061 生活体験が生きる力,生活充実感に及ぼす影響(2) : 高校生を対象として(口頭セッション10 学校適応1)
- K060 生活体験が生きる力,生活充実感に及ぼす影響(1) : 小学校高学年生を対象として(口頭セッション10 学校適応1)
- J052 積極的生徒指導を考える(3) : 規範意識・規範行動を育てる : 社会性と情動の学習(SEL)と品性・品格教育(Character Education)による実践(自主シンポジウム)
- PC017 児童・生徒の仲間関係ネットワークと非協調性の関係
- 指導を聞かない児童・生徒への教師の「対処法」について--テキストマイニングの手法を用いた学校種別,教師経験別分析
- PC038 デジタル機器の使用と性格特性、学習意欲との関連(1) : 学校のある日について(ポスター発表C,研究発表)
- PB030 ゲーム遊びと子どもの感情の関連(II) : 小学校5年生の日中比較(ポスター発表B,研究発表)
- PG55 3年間継続した総合的な学習(環境分野)学習効果(II) : 中学生でのスクール・モラールテスト、学校生活スキル尺度の得点の変化にみる学習効果(教授・学習,ポスター発表G)
- PG54 3年間継続した総合的な学習(環境分野)学習効果(I) : 自己評価できたと生徒が意識した場よる学習効果の差異について(教授・学習,ポスター発表G)
- PE13 ゲーム遊びと子どもの感情の関連(I) : 小学校5年生の日中比較(発達,ポスター発表E)
- PC100 指導しにくい子どもの実態とその対応法について : 小・中学生の生活指導を中心に(臨床,ポスター発表C)
- J061 積極的生徒指導を考える(4) : 関わり合う力を育てる : 学校で社会性を育む多様な実践の紹介(自主シンポジウム)
- 児童期からの適応感を測定できる生活充実感尺度の開発--適応感研究の相互比較を可能にする尺度をめざして
- PG067 やる気と負けん気と計画性(2)
- PB1-03 やる気と負けん気と計画性(1) : 小中学生の発達差,性差(発達)
- 両親の養育態度が中学生の社会的スキルおよび生活充実感に及ぼす影響
- 米国で視察した品格教育(Character Education)の実際
- キャラクターエデュケーションの概念的枠組みと日本語版徳目作成の試み
- PA080 自閉症傾向とプロソディ認知の関連 : 大学生の自閉症傾向低群・高群と自閉症スペクトラム障害者について
- 生徒用ハンドブックに見るアメリカの生徒指導,生活指導
- 両親の養育態度,生活体験が小学生の社会的スキル,生活充実感に及ぼす影響
- 日中の高校生にみる時間的展望と一般的統制感の関係--普通科,専門科の比較と性差を含めて
- よいマナー、ルールを守ることを「習慣」にする (特集 ルールやマナーを教える)
- 発話意図の理解の発達的変化(II) : 3歳児、5歳児の比較に見る発話者の表情、状況との関連
- 〔日本道徳教育学会〕第五十七回(平成13年度春季)大会特別報告 アメリカの小学校における道徳教育の現状 (特集 21世紀の総合的な学習と道徳教育)
- アメリカの小学校に見る品性徳目教育とその運用
- アメリカの学校に見る児童・生徒によるボランティア活動 : カンザス州ブルーバレー学区,シャウニーミッション学区でのケースレポート
- PC79 授業スタイルの違いによる科学概念獲得の差異に関する研究
- 新しい人権教育創造のための基礎研究--校則ルールの違いに見る人権教育の日米比較 (学術研究(第37回))
- 児童・生徒の向上心,目標志向性に及ぼす"あこがれ"の影響
- 高校生の生活体験と「生きる力」・生活充実感の関連について
- 話し合いに「引用」を導入した授業の特徴 : 小学4年生の談話分析を通して
- 高校の進路面談で必要とされる教師の指導力 : PAC(個人別態度構造)分析による進学校のベテラン教師と初任者の比較
- D3. 積極的生徒指導を考える(5) : 長期で取り組む品格教育(Character Education)と社会性と情動の学習(SEL)の成果と課題(自主企画シンポジウム)
- JE11 積極的生徒指導を考える(7) : よい行為の習慣づくり(character education)にエビデンスを活用する(自主企画シンポジウム)
- PD-066 児童のいざこざの実態と解決方略 : 有効なピア・メディエーションを目指して(学校心理学,ポスター発表)
- PG-047 支え合いのある学級づくりのための教師の工夫 : 援助要請を中心に(学校心理学,ポスター発表)
- E6. 積極的生徒指導を考える(6) : ネット・トラブルの予防のために学校でできる取り組みとは(自主企画シンポジウム)