法看護学を活用した性に関する健康課題への看護介入 : ケニア国の性暴力被害者に対する医療とケアに関するガイドラインからの学び
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
性暴力を受けた被害者は,身体的な外傷および重度の精神的外傷を負うばかりではなく,望まない妊娠や性感染症,HIV/エイズ感染の脅威に曝される.この度HIV/エイズが蔓延するケニア国のMedical Management of Rape and Sexual Violenceガイドラインからの学びを基に,法看護学を活用した性に関する健康課題への看護ケアの位置づけと,その介入について調査した.本稿では性暴力被害者ケアの基盤になる,リバプール大学の協力で作成された性暴力被害者に対する医療とケアに関する性暴力被害者の救急対応とHIV感染および望まない妊娠防止のフローチャートを記した国家的ガイドラインをもとに,日本で展開する課題を論じた.ガイドラインの作成と運営に関わる関係者に聞き取り調査を実施した.調査期間は2008年8月であった.ケニア国では,リプロダクティブヘルスとしての位置づけで予算を確保し事業を行っていた。性暴力被害に関する問題は法的および法医学的証拠採取をもって申し出ること,それに必要な技能を獲得することを目的に作られたガイドラインは,刑事司法制度による包括的なケアを可能にする.被害者に適切な対応を提供できるコミュニケーションカ,外傷の照会等に関するキャパシティ・デペロップメントが,性暴力被害者支援看護に求められる.The focus of this paper is Medical Management of Rape and Sexual Violence in Kenya.Rape/sexual violence can result in serious physical injuries, profound psychological trauma, unwanted pregnancy, and infection with HIV and STD.For this purpose, various constrains experienced by Rape/sexual violence supporting personnel were studied based upon the interviews conducted in this research.Care of rape survivors needs to address all of these as well as legal and forensic issues.These results suggest that there is still much more that needs to be done on forensic systems; these guidelines are a first step towards development of comprehensive policy, communication strategy and referral mechanisms with the criminal justice system.
著者
関連論文
- 高校生のDating violenceの特性と課題
- 法看護学を活用した性に関する健康課題への看護介入 : ケニア国の性暴力被害者に対する医療とケアに関するガイドラインからの学び
- 日本における法看護学教育カリキュラムの検討(ポスター発表,青森から発信する保健・医療・福祉実践のためのエビデンス,2008年度青森県保健医療福祉研究発表会抄録)
- 日本における法看護学教育カリキュラムの検討
- セーフティプロモーション活動からの交通問題へのアプローチ(Part 2)地域居住者によるグループインタビューからわかったこと
- 黎明期のセーフティプロモーション(SP)活動に見られる住民間の目的意識形成の成因解明(Part 1)
- 教員が考える在宅看護実習前に学生に身につけさせたい実習態度 : 青森県看護教育研究会地域看護学グループの取り組み
- 高校生のデートDVの実態調査結果について : 青森県の場合(一般セッション 医学)
- 5. 被害者支援のための法看護学教育プログラムの検討(口述発表I-1,保健・医療・福祉サービスの充実のために,2007年度青森県保健医療福祉研究発表会抄録)
- 暴力や虐待の被害を繰り返さないために必要な 日本における法看護学教育の検討
- DV被害者早期発見看護観察チェックリストの検討
- 法看護学はなぜ必要か?--被害者の声なき叫びを聞き逃さないために
- 女性の健康被害を拡大する伝統社会における看護の社会的役割 : エジプト国カイロ大学看護学部の実践より
- 健康科学教育センター国際科の発展途上国における地域交流の現状 : 国際交流事業の教育的意義の検討
- HIV/AIDSと親密なパートナーに対する暴力防止に関する研究 : ケニア国の自発的カウンセリングおよびテスト(VCT)の知見より
- DV被害者の回復過程における心象環境の変化と看護課題
- フォーカス セーフティプロモーション(SP)とはなにか--地域看護場面における実践と運用
- DV被害者に対する看護的視点の明確化と課題
- ザンビア国ルサカ市におけるプライマリーヘルスケアの現状と課題(ポスター発表P-4,青森県の保健・医療・福祉における包括ケアの発展をめざして,第3回青森県立保健大学学術研究集会抄録)
- HIV/AIDSプロジェクトと協働した地域DOTSのあり方 : ザンビア国ルサカ市の取り組みより
- 暴力被害者の二次受傷と回復に向けての支援
- 市町村が行う機能訓練教室参加者の社会性の拡大に関する検討--主観的ソーシャルスキルと社会的交流を視点とした評価より
- 高校生の Dating violence の特性と課題
- ドメスティック・バイオレンス被害者支援のためのチェックリストの検討--看護職へのアンケート調査から
- 寄稿 成年後見制度の利用状況と課題--精神障害者施設と訪問看護ステーションの比較より
- 日本における法看護学教育カリキュラムの検討
- 地域活動センター創設期におけるPCMを用いた課題分析 : 脳血管疾患後遺症の中途障害者に対する保健師の地区組織活動(第2回青森県立保健大学学術研究集会)
- 女性相談所における相談指導員の支援の特質と課題(第2回青森県立保健大学学術研究集会)
- 脳血管疾患後遺症の中途障がい者に集団形成活動を行った保健師の看護支援--作業所開設に至るまでの事例分析から
- DV被害者を支援するスタッフが抱える困難の構造
- スリランカ国結核対策の現状(第1回青森県立保健大学学術研究集会)
- 老人保健法に基づく機能訓練事業における「機能低下」群の分析(第1回青森県立保健大学学術研究集会)
- 老人保健法に基づく機能訓練事業の意義の再検討 : 保健師の役割と参加者の自己評価より(第1回青森県立保健大学学術研究集会)
- 結核集団感染におけるエコ・マップの有用性と課題
- スリランカ社会主義共和国における結核対策の現状と課題
- 老人保健法に基づく機能訓練事業の意義と保健師の役割の再検討--参加者の自己評価より
- 介護保険制度施行後の地域難病対策の課題
- DV被害者早期発見看護観察チェックリストの検討
- スティグマをはらむDV問題をめぐる看護相談の課題
- 生活行動の難易度に関する高齢者の認識の適切さについて(一般セッション 医学・看護)