腎細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼術を用いた腎温存療法 - 4症例7腫瘍の治療経験 -
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
腎細胞癌4症例(平均59歳,男女各2例)の7腫瘍に対してCTガイド下に経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)を行った.全例,imperative caseであった.2例はvon-Hippel Lindau(VHL)病に伴う遺伝性多発性腎細胞癌で,他の2例は両側同時発生例,原因不明の胸水に伴う呼吸機能障害例であった.腫瘍の平均径は4.5cmで,最高出力は平均94W,最高温度は平均82℃,焼灼時間は平均11分,手術時間は平均91分であった.平均観察期間6.3ヵ月における外方突出型3症例の局所制御率は42.9%(3/7腫瘍)であった.VHL病を持った2例には,肺転移,膵転移,腫瘍の成長がみられた.合併症に重篤なものはなく,疼痛,嘔気,腎被膜下血腫,微熱などであった.腎細胞癌に対するRFAは,症例によっては低侵襲,かつ良好な局所制御が可能であるが,適応には慎重な検討が必要だと考えられたWe report 7 renal cell carcinomas in 4 patients treated by percutaneous image-guided radiofrequency ablation (RFA). The mean age of the patients was 59 years (male: 2, female: 2). All 4 were imperative cases. Two patients (5 tumor) had hereditary multiple renal cell carcinomas with von Hippel-Lindau (VHL) disease. The other two patients had sporadic renal cell carcinomas. RFA was performed guided by computed tomography under conscious sedation with local anesthetics. The mean size of the treated tumors was 4.5 (1.8-8.1) cm. Impedance-regulated RF energy from a generator at 94 (45-130) watts was applied at 11 (8-14) min intervals. The average procedure time was 91 (45-165) minutes. The maximum tissue temperature reached 82 (56-91) degrees C immediately after ablation. Three of the 7 lesions (42.9 %) were locally well controlled during the mean follow-up period of 6.3 (4-9) months. The two patients with VHL disease developed visceral metastasis after There were no major complications. Minor complications encountered included flank pain, nausea, perinephritic hematoma and fever. Although percutaneous image-guided RFA showed limited success in large or central renal tumors, the therapy against small exophytic renal tumors would be well tolerable and successful.
- 泌尿器科紀要刊行会の論文
著者
関連論文
- 横紋筋肉腫様細胞を伴った腎細胞癌の1例
- 膀胱癌115例における光線力学的診断(PDD)の診断精度
- 高知大学における泌尿器腹腔鏡技術認定取得に向けての取り組み (パネルディスカッション 効果的・効率的な泌尿器腹腔鏡手術医の育成)
- 光力学診断補助下経尿道的膀胱腫瘍切除術の臨床経験
- 低侵襲治療におけるマイクロ波凝固療法,ラジオ波焼灼療法,超音波駆動メスの腎組織に対する影響
- PP-106 Hsp27をターゲットにした腎細胞癌に対するアンチセンス治療(腎腫瘍/基礎2,一般演題ポスター,第97回日本泌尿器科学会総会)
- 尿路上皮癌に対するALA-PDD/PDT
- APP-024-AM 尿路上皮癌に対する光力学治療(総会賞応募ポスター,第97回日本泌尿器科学会総会)
- 膀胱癌に対する光力学診断およびその応用 : 蛍光スペクトラム診断・光力学診断補助下経尿道的膀胱腫瘍切除術
- S7-2 膀胱癌に対する光力学診断およびその応用 : 蛍光スペクトラム診断・光力学診断補助下経尿道的膀胱腫瘍切除術(膀胱癌における光力学的診断の現状評価と今後の発展性について, 第95回日本泌尿器科学会総会)
- APP-010 新規ラジオ波焼灼システムの開発(総会賞応募ポスター,第94回日本泌尿器科学会総会)
- S11-5 限局性前立腺に対するHDR brachy therapyとQOL(シンポジウム11「限局性前立腺癌の治療成績とQOL」,第94回日本泌尿器科学会総会)
- 上部尿路癌に対するBCG注入療法の経験
- 陰茎紡錘細胞癌の1例
- 限局性前立腺癌に対する高線量率組織内照射及び外照肘併用療法の成績(第93回日本泌尿器科学会総会)
- 腎細胞癌骨腫瘍モデルを用いた抗血管内皮増殖因子受容体 (Flk-1) 療法の検討(第93回日本泌尿器科学会総会)
- 限局性前立腺癌に対する高線量率組織内照射療における血管新生および関連因子発現の推移について
- 5-アミノレブリン酸を利用した光力学作用によるガン細胞死の解析 : Flow cytometry を中心として
- 5-アミノレブリン酸依存性プロトポルフィリンIXを利用した癌細胞イメージングとその蓄積機構の解析
- PP-558 Hsp27アンチセンスは腎細胞癌に対するソラフェニブの抗腫瘍効果を増強する(発表・討論,一般演題ポスター,第98回日本泌尿器科学総会)
- 高知大学における泌尿器腹腔鏡技術認定取得に向けての取り組み
- PP-129 限局性前立腺癌に対するIr-192高線量率組織内照射+外部照射併用療法の治療成績(前立腺腫瘍/放射線治療2,一般演題ポスター,第96回日本泌尿器科学会総会)
- PP-365 ホルモン抵抗性前立腺癌に対する estramustine, docetaxel 併用療法の検討(第95回日本泌尿器科学会総会)
- MP-226 腎細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼術の治療経験(一般演題ポスター,第94回日本泌尿器科学会総会)
- FISH法を用いた進行性前立腺癌でのホルモン療法による染色体数的異常の変化
- APP-037-PM 膀胱癌に対する光力学診断および光力学診断補助下経尿道的膀胱腫瘍切除術(総会賞応募ポスター,第97回日本泌尿器科学会総会)
- 膀胱癌 表在性膀胱癌の患者です。TURBTを行い,今までにBCGやTHP-ADM,MMCなどの膀胱内注入療法を行いましたが再発を繰り返します。対処と処方について教えてください。 (泌尿器科外来ベストナビゲーション) -- (腫瘍(外来化学療法))
- PP2-012 マイクロ波組織凝固装置を用いた腎腫瘍核出術 : 体腔鏡下手術への応用(一般演題(ポスター))
- 限局性前立腺癌に対する高線量率Ir-192組織内照射及び外照射併用療法
- 柔軟性アプリケーターを用いた高線量率Ir-192組織内照射療法 : 治療中ストレスの軽減およびQOL改善への試み
- PP-542 腎淡明細胞癌におけるVon Hippel-Lindau癌抑制遺伝子変異の接着因子を介した腫瘍形成能への影響(発表・討論,一般演題ポスター,第98回日本泌尿器科学総会)
- APP-027 根治的前立腺全摘除術の外科的切除断端における残存癌検出を目指した術中光力学診断の有用性の検討(発表・討論,総会賞応募ポスター,第98回日本泌尿器科学総会)
- 診断と分類 蛍光膀胱鏡による膀胱癌診断 (腎・泌尿器癌--基礎・臨床研究のアップデート) -- (膀胱癌 臨床研究)
- フルニエ壊疽8症例の治療経験
- 後腹膜に生じた原発性孤立性線維性腫瘍(Solitary fibrous tumor)の1例
- 馬蹄鉄腎より発生した腎カルチノイド腫瘍の1例
- 陰茎に限局したフルニエ壊疽の1例
- PP-258 高知県における市民公開講座の疫学的観点からの評価(統計・経済・歴史・疫学1,一般演題ポスター,第97回日本泌尿器科学会総会)
- 光力学的診断を併用した経尿道的膀胱腫瘍切除術
- 蛍光膀胱鏡による表在性膀胱癌の光力学的診断
- PP-264 尿路上皮癌に対するPaclitaxel/Gemcitabine/CDDP療法の検討(膀胱腫瘍/薬物療法2,一般演題ポスター,第96回日本泌尿器科学会総会)
- 腎淡明細胞癌におけるVon Hippel-Lindau遺伝子による血管新生因子およびHypoxia Inducible Factorの発現の制御
- 特異的クローン細胞株を用いた同所移植モデルにおける血管新生因子の経時的発現変化
- 408 ニューラルネットワークを用いた医療画像診断システムの提案と検証(OS 機械工学における人工知能と制御技術(その1))
- PP-255 膀胱癌に対する光力学的診断(PDD) : 部位別診断精度の検討(膀胱腫瘍/診断・マーカー1,一般演題ポスター,第96回日本泌尿器科学会総会)
- PP-221 尿路上皮癌における5-アミノレブリン酸に基づくプロトボルフィリンIX生合成とその制御 : 光力学診断および治療における精度向上を目指して(尿路上皮腫瘍/基礎,一般演題ポスター,第96回日本泌尿器科学会総会)
- PP-169 尿路上皮癌に対する Paclitaxel/Gemcitabine 併用療法の検討(第95回日本泌尿器科学会総会)
- MP-711 高知大学泌尿器科MVAC化学療法の臨床的検討(一般演題ポスター,第94回日本泌尿器科学会総会)
- APP-077 Von Hippel-Lindau癌抑制遺伝子変異の腎淡明細胞癌における転移増殖様式への影響(副腎腫瘍・腎腫瘍/基礎,総会賞応募ポスター,第96回日本泌尿器科学会総会)
- PP-047 腎細胞癌におけるHsp27アンチセンスの抗腫瘍効果(第95回日本泌尿器科学会総会)
- 5-アミノレブリン酸(5-ALA)膀胱内注入による蛍光膀胱鏡を用いた膀胱癌の光力学的診断
- MP-692 膀胱癌に対する光力学的診断の問題点 : 部位別診断精度の検討(一般演題ポスター,第94回日本泌尿器科学会総会)
- MP-532 53BP1を用いた限局性前立腺癌に対する放射線治療効果判定の基礎的検討(一般演題ポスター,第94回日本泌尿器科学会総会)
- MP-110 腎盂尿管腫瘍の予後因子の検討(一般演題ポスター,第94回日本泌尿器科学会総会)
- フルニエ壊疽 (特集 ワンランク上の泌尿器科エマージェンシー)
- 鼠径部皮下組織に発症し, 異所性移行上皮癌が疑われた1例
- APP-039 Cisplatin抵抗性膀胱移行上皮癌の骨転移に対する破骨細胞特異的阻害剤Minodronateの治療効果(総会賞応募(ポスター))
- 腎細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼術を用いた腎温存療法 - 4症例7腫瘍の治療経験 -
- 7.腎盂・尿管癌の診断と治療(泌尿器科腫瘍-卒後教育,日本泌尿器科学会,第94回日本泌尿器科学会総会)
- 蛍光膀胱鏡を用いた膀胱癌の光力学的診断・治療(第93回日本泌尿器科学会総会)
- PD1-3 光力学技術の泌尿器科領域での展開(光力学診断の新展開〜光の先に何がみえるのか〜,パネルディスカッション1,第98回日本泌尿器科学会総会)
- SY10-1 Endourologyの将来 : 泌尿器科癌の蛍光ナビゲーション手術(近未来の泌尿器科手術,シンポジウム10,第98回日本泌尿器科学会総会)
- The expression of interleukin-8 in human transitional Cell carcinoma is regulated by changes in the microenvironment via NF-KB
- IFN-αの移行上皮癌における血管新生抑制および化学療法との併用
- S1-1 泌尿器癌における骨転移増殖様式とその制御(癌の浸潤と進展様式, 第95回日本泌尿器科学会総会)
- PP3-070 The Proteasome Inhibitor PS-341 Sensitizes Drug-Refractory Human Transitional Cell Tumors to Gemcitabine
- 膀胱癌の光力学的診断
- 蛍光スペクトラム解析に基づく膀胱癌診断の試み : 光線力学技術の膀胱癌治療への応用
- PP-750 長期生存した転移性腎細胞癌についての検討(発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
- PP-523 前立腺癌におけるMRI拡散強調画像の有用性(発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
- PP-425 腎細胞癌の増殖形態因子(一般演題ポスター発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
- PP-297 前立腺癌に対する術中計画法による外照射併用Ir-192高線量率組織内照射の経験(一般演題ポスター発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
- APP-043 根治的前立腺全摘除術の外科的切除断端における残存癌検出を目指した術中光力学診断の有用性の検討(総会賞応募ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
- フロンティア7-5 泌尿器科癌に対する光力学診断(泌尿器科の未来を拓くロボット医工学,フロンティア企画7,指導医教育企画,第99回日本泌尿器科学会総会)
- 膀胱癌 リンパ節転移を認めた膀胱全摘除術後の患者です。QOLを損なわない術後化学療法について教えてください。 (泌尿器科外来ベストナビゲーション) -- (腫瘍(外来化学療法))
- 腫瘍内新生血管を標的とした分子標的治療
- 膀胱癌に対する光力学診断における課題--偽陽性所見の病理学的検討
- S7 座長のことば(膀胱癌における光力学的診断の現状評価と今後の発展性について, 第95回日本泌尿器科学会総会)
- VHL病の両側腎癌に対し集学的治療を行った1例
- 膀胱癌に対する光力学診断における課題 : 偽陽性所見の病理学的検討
- 前立腺癌診断における3 Tesla MRIを用いた拡散強調像の有用性に関する検討
- 光力学技術の泌尿器科領域での展開
- Clinical experience of percutaneous radiofrequency ablation of renal cell carcinoma
- 根治的前立腺全摘除術の外科的切除断端における残存癌検出を目指した術中光力学診断の有用性の検討
- 当院における腹腔鏡下膀胱全摘除術の初期経験
- 当院における腹腔鏡下膀胱全摘除術の初期経験