C型慢性肝炎のインターフェロン療法中止後に出現したせん妄の治療経験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ウイルス増殖抑制物質として1950年代に発見されたインターフェロン(IFN)は,悪性腫場・ウイルス性肝炎を中心に頻用されており,1992年には本邦でC型慢性肝炎に対しての保険適応を得た。IFNには,その一般的な副作用としての頭痛・発熱・倦怠感・食思不振などのほか,不眠・抑うつ状態・操状態・幻覚妄想・意識障害などの精神症状も数多く報告されており,コンサルテーション・リエゾン精神医学の領域で重要な問題となっている。今回のわれわれは,C型慢性肝炎に対するIFN投与の中止から約3週間後に顕性化したせん妄の症例の脳血流量の経時的変化を観察し,臨床像と比較検討した。また,この症例の治療経過中,非定型抗精神病薬の1つであるクエチアピン投与後に,過鎮静や錐体外路症状などの副作用も出現することなく,せん妄による幻覚・妄想・精神運動興奮などの精神症状が消失したことに関しても若干の考察を加える。
- メディカルレビュー社の論文
著者
関連論文
- Risperidone錠からrisperidone口腔内崩壊錠への切り替え後の患者を対象に行ったアンケート調査
- 治療抵抗性老年期うつ病に対して行ったmodified ECT前後の99mTc-HM PAO SPECT所見の変化
- 地域における自殺予防活動の重要性とNOCOMIT-Jのかかわり
- O2-37 レベチラセタムの脳内抗酸化能増強効果に起因する神経細胞保護作用の基礎研究(実験てんかん2,一般演題(口演),第42回日本てんかん学会)
- O1-03 ELマウスにおけるictogenesis形成と海馬抗酸化能低下の分子機構(実験てんかん1,一般演題(口演),てんかん制圧:新たなステージに向けて,第41回日本てんかん学会)
- O2-19 ELマウスにおけるictogenesis成立前後の海馬抗酸化能評価(実験てんかん4,一般演題(口演),第40回 日本てんかん学会)
- O1-48 鉄塩誘導てんかんモデルにおける両側海馬抗酸化能の経時変化(神経伝達物質・生理,一般演題(口演),第40回 日本てんかん学会)
- ペロスピロン投与後に知覚変容の改善及びめざめ現象が認められた統合失調症の1症例
- 精神科における看護者のストレス要因 : 急性期病棟と療養病棟の比較
- プライマリケア医のうつ病診療に関する実態調査
- 宮崎大学医学部附属病院精神科におけるコンサルテーション・リエゾン精神医療の現状
- C型慢性肝炎のインターフェロン療法中止後に出現したせん妄の治療経験
- パーキンソン病の精神症状 : ドーパミン神経研究からの眺望
- 脳実質内漏出性出血による精神障害の1剖検例
- 抗うつ薬とperospironeによる増強療法が奏功した薬物治療抵抗性うつ病の2症例
- 中枢ドーパミン系の破壊・移植に伴う線条体L-DOPA・5-HTPおよびカテコラミン・アミノ酸活性の変化 : 脳内微小透析法によるドーパミンおよびセロトニン生合成過程の同時測定を中心とした包括的研究
- 症例 老年期うつ病の心気症状に経頭蓋磁気刺激療法が奏効した1症例
- 統合失調症に伴う強迫症状に対して抗精神病薬とSSRIを併用し,約2年間経過した2症例
- 疼痛治療における抗うつ薬の役割
- 深部白質病変を認めた晩発性双極1型障害の1症例 (特集 症状性を含む器質性精神障害の症例)
- 脳内微小透析法を用いた神経科学研究 : 宮崎大学における取り組みを中心に