マンガン酸化物の堆積が認められる北海道内湧水の水質の比較
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概要
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北海道十勝地方の足寄町に所在する湯の滝には天然で大規模なマンガン酸化物の堆積が認められる。ここでは、地表におけるマンガン酸化物の形成がマンガン酸化菌と微小藻類との複合的な働きにより行われていることが推定されており、このようなマンガン酸化物の生成過程は世界的にも珍しいことから、国の天然記念物に指定されている。さらに、湯の滝ほど大規模ではないが、北海道内にはほかにもマンガン酸化物の堆積が認められる水域が存在している。その一つは渡島地方の森町に所在する駒の湯で、湧水の流水路の壁にマンガン酸化物の堆積が認められている。また、後志地方の古平町に所在する稲倉石鉱山において、噴出している廃水を受ける槽の底部にマンガン酸化物の堆積が認められている。駒の湯及び稲倉石鉱山廃水は、その水質から判断すると、化学的にマンガンが酸化されているとは考えにくく、マンガン酸化物の堆積には微生物の関与があると推定される。一般に水生微生物の生育には水質が影響することから、これら3地点のマンガン酸化物形成に対して、水質の影響を無視することはできない。今回はこれら3地点の水質の比較をすることにより、微生物によるマンガン酸化物の形成の特徴を推定した。
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