陶磁器に見る日朝関係
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概要
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朝鮮の陶磁器は日本に三度、大きな影響を与えている。最初は古墳時代で、須恵器がつくられたが、この技術は朝鮮から日本に渡来した人たちが伝えたもので、その後、備前、常滑、丹波、瀬戸、信楽、越前の日本六古窯へと発展した。二度目は豊臣秀吉の朝鮮侵略で、このとき朝鮮から連れて来られた陶工により、九州から中国地方にかけて新しい焼物が創始された。有田焼、唐津焼、高取焼、萩焼、薩摩焼、小鹿田焼などである。この陶工たちを主人公にした小説も描かれている。三度目は近代で、柳宗悦が主唱した民芸運動により民芸ブームが起こり、益子焼などが民芸風として人気を博していることがあげられる。この柳の民芸概念に影響を及ぼしたのが李朝の白磁であった。柳はそれまで雑器扱いの李朝白磁に「用の美」を見いだしたのである。以上の陶磁器に見る日朝関係を、それに関係する人間模様にからめて講演した。柳については特に朝鮮の美を文化として教えた浅川巧のことにもふれた。陶磁器の歴史には、異文化と出会い、葛藤しつつも、互いに理解しあう学習過程が多くみられ、この体験は国際化のありかたを考える上での貴重な例としてとらえることができる。
著者
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