高血圧と食行動異常が青年期前期の肥満に与える影響
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概要
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我が国において,成人の肥満者の割合が増加傾向にある.小・中学校・高校における男女合計での肥満傾向児童生徒の割合も成人と同様,平成2年から著しい増加している.文部科学省は平成17年に食育基本法を制定し,学校及び家庭等における積極的な食青に関する取り組みを開始した. 肥満の修飾因子としては,遺伝要因,環境要因の両者の関与が認められており,その他様々な要因が明らかになってきている.中でも特に注目されているのが,食行動である.食行動異常は,過食(bulimia,overfeeding),早食い(eatingquickly),代理摂食(eatingasdiversion),無茶食い(bingeeating),夜間摂食(nighteating)等が際立っている.我が国では,坂田(1997)が,成人の肥満症患者に特異的な食行動異常に関して,(1)体質に関する認識,(2)空腹感・食動機,(3)代理摂食,(4)満腹感覚,(5)食べ方,(6)食事内容,(7)リズム異常の7領域に分類している.なお,青年期に見られる食行動異常を因子分析にて検討した先行研究では,代理摂食,過食,リズム異常,食べ方,食事内容の5因子が抽出されている.代理摂食は,無茶食い等に代表される摂食行動であるが,肥満の第一の原因と考えられている.また,リズム異常は,食生活リズムの乱れを示し,食べ方は,主として早食いを示す. 肥満を修飾する身体的な要因も様々であるが,遺伝子においての代表格はレプチンである.レプチン濃度の高さは肥満と関連するが,近年の研究では,レプチン濃度が食行動に関連することも明らかになってきている.さらに,血圧も肥満との関連が強い.肥満は,インスリン抵抗性を引き起こし,高血圧,糖尿病,脂質異常症の発症リスクを増加させることが知られている. 本研究では,肥満の修飾因子を,身体指標から血圧,行動指標から食行動を取り上げ,青年期前期の青年の高血圧と食行動異常がそれぞれどの程度肥満に影響を与えるかを検討した.
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