リツキシマブ併用CHOP療法が奏効した膀胱原発MALTリンパ腫の1例

概要

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84歳女。患者は全身倦怠感、体重減少を主訴とした。膀胱鏡で三角部から後壁にかけて非乳頭状広基性の膀胱腫瘍を認め、膀胱癌(T3b)が疑われた。TU-Biopsyを施行したところ、病理組織学的所見によりmucosa-associated lymphoid tissue lymphoma(MALT リンパ腫)と診断された。一方、ガリウムシンチでは集積を認めず、胸腹部CTでも他のリンパ節腫大は認めなかった。また、ほか骨髄穿刺や生検でも腫瘍の浸潤はみられず、膀胱に限局したMALTリンパ腫と最終的な診断に至った。治療として従来のCHOP療法にリツキシマブを加えたR-CHOP療法を施行したところ、1コース終了後のMRIで膀胱内の病変は消失し、画像上で寛解と診断された。当初はR-CHOP療法6コースを予定していたが、嘔気・食欲不振等の副作用のため患者が治療を拒否し、1コースで終了となった。その後、外来での経過観察を行なっているが、6ヵ月経過現在、再発は認められていない。
泌尿器科紀要刊行会の論文