要素性幻視と変形視を呈した肺腺癌脳転移の1剖検例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
71歳男性.要素性幻視と変形視を呈した肺腺癌脳転移の1剖検例を経験した.検診で胸部異常陰影を指摘され入院し,精査で肺腺癌と診断された.化学療法2クール施行後から右視野に要素幻視と変形視が出現した.ガドリニウム造影T1強調画像で左鳥距溝脳表に沿って増強効果がみられ,脳血流シンチでは左後頭葉に集積の亢進を認めた.幻視・変形視は無治療で徐々に軽快・消失した.頭部MRIでは左後頭葉の病変は若干軽快していたが,右側頭葉に転移巣様病変が出現していた.脳血流シンチでは左後頭葉の異常集積は正常化していた.胸部異常陰影は化学療法の効果が乏しく,一時退院後に呼吸困難の増悪で再入院したが,著明な呼吸アシドーシスを認め,徐々に意識レベル,血圧の低下が出現し死亡した.剖検では左後頭葉皮質内,右上側頭回,大脳皮質内,すべてのくも膜下腔に腫瘍細胞浸潤を認めた
著者
関連論文
- 35)バスケットカテーテルで右房内マッピングを施行した多発性筋炎筋炎に伴うPartial atrial standstillの1例
- 旭川医科大学における脳卒中の診療実績とその検討
- 脳生検で診断されたLymphomatoid granulomatosisの一例
- 小脳性運動失調症と見かけの高Cl血症が診断の端緒となった慢性ブロムワレリル尿素中毒の1例
- 星状神経節ブロックの心臓自律神経系への影響 : head-up tilt負荷における検討
- 好塩基性封入体を認めた孤発性若年性筋萎縮性側索硬化症
- Gerstmann-Straussler-Scheinker (GSS)症候群の一剖検例
- P569 筋緊張性ジストロフィー患者における遺伝子異常(CTGリピート)と心筋脂肪酸代謝異常との関係
- 急性期に右one-and-a-half症候群を呈したBickerstaff型脳幹脳炎の一例
- Nothnagel症候群の1例
- 心筋障害を併発した横紋筋融解症の1例
- 小脳梗塞初期診断の問題点
- 重症筋無力症様の症状を呈した甲状腺中毒性ミオパチーの1例
- ヒト免疫グロブリン静注療法が有効であった亜急性外眼筋炎の1例
- 帯状疱疹痛に対するガバペンチンの使用
- 脳幹梗塞後に低酸素性虚血性脳症を合併した1例
- 要素性幻視と変形視を呈した肺腺癌脳転移の1剖検例
- 糖尿病患者における血中可溶性E-selectinの検討
- 脳卒中と酸化ストレス
- Telestrokeの有用性と課題