四国海盆内部の黒潮を横断する水温と塩分分布

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概要

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四国海盆内部の黒潮を横断する水温と塩分分布の7回の観測を,1992年7月から2001年8月までに三重大学生物資源学部の練習船『勢水丸』を用いて行った。観測はとりわけ西岸境界流としての黒潮強流帯の水温構造と塩分極小層内部の塩分分布に注目した。この論文では観測された黒潮を横断する水温と塩分分布を提示した。観測結果の解析により,黒潮の強流帯の下で塩分極小層が不明確で,伊豆海嶺の西側でも塩分極小層は黒潮の陸側と沖側に分離することが示された。また,陸側と沖側の塩分極小層を成す海水がそれぞれ親潮中層水と北太平洋中層水であることが示された。黒潮の関連する水温躍層の傾きと反対方向の水温躍層の傾きが南の沖側で観測され,黒潮の沖側に西向きの反流を伴う高気圧循環が存在することが示され,日本南岸の黒潮は非線形効果の卓越した西岸境界流であることが示唆された。
三重大学の論文

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