紀伊半島東部域への暖水の接近について
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概要
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紀伊半島東部沿岸域への暖水の接近のパターンについて特に鉛直水温構造に注目して水温データの解析を行った.水温データは1984年から1988年の三重県による定線水温観測値を主とし,浜島の海面水温およびNOAA 10号の赤外画像などを合わせて用いた.結果として,紀伊半島東部に接近する暖水は大きく分けて二つの鉛直構造を持つことが示された.一つは高高100m程度の薄い鉛直構造を持つもので,主に暖水が黒潮流軸や暖水渦からストリーマーあるいは舌状に接近するものである.もう一つは200mを越す比較的厚い鉛直構造を持つもので,黒潮流軸あるいは黒潮流軸から直接切離した顕著な暖水渦が接近する場合にみられる.さらに,水平的な広がりからみて,紀伊半島東部に接近する暖水の形態は,相対的に浅い鉛直構造を持つストリーマー的なものと暖水舌的なもの,および相対的に厚い鉛直構造を持つ黒潮流軸そのものとそれから切離した暖水渦の接近の四つに大きく分類されることが示唆された.
- 日本海洋学会の論文
- 1991-02-28
著者
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