呼吸不全患者における運動制限因子に関する研究-特に運動負荷時の換気機能,心機能の変動について-
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概要
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本研究の目的は慢性呼吸不全患者の運動負荷に対する心肺機能の変化から,運動制限因子を検索することである.対象者は,健常者40名と閉塞性障害者16名,拘束性障害者8名の,計64名であった.方法は対象者に多段階運動負荷試験を行い,換気機能,呼気ガス分析および心拍数を測定した.その結果は,慢性呼吸不全患者の耐容能が著しく低下していた.その原因は,換気障害で,閉塞性障害者は,呼吸数の低下による最大分時換気量の低下,拘束性障害者は一回換気量低下による最大分時換気量の低下が主因と考えられた.しかし,心機能は,運動負荷試験を中止するほど低下していなかった.The purpose of this study is to evaluate the differences of cardioplumonary responses among normal, obustructive lung disease and restrictive lung disease. The measuerments taken were VT, VE, RR, VO2, VCO2/W, HR and VO2/HR. The results are as follows : 1. Obstructive lung disease and restrictive lung disease were weaker in exercise tolerance than normal subjects, which seems to be caused by the deterioration of ventilation function and gaseous metabolic observed in those patients. 2. Obustructive lung disease of the limitting factor of exercise tolerrance was VE and RR. Restrictive lung disease of the limitting factor of exercise tolerrance was VT. 3. However the cardiac function of those patients failed to be so bad that they could not continue the exercise.
- 1992-03-31
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