呼吸理学療法の総合的評価と長期効果
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概要
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当院に入院中の慢性呼吸器疾患患者31名に対して,集中的に呼吸理学療法を行い,その前後で肺機能,血液ガス,6MD,ADLスコア,Hugh-Jonesの息切れ分類を評価し,呼吸理学療法の長期的効果を検討した.その結果,①肺機能は%VCで有意な増加(p<0.05)が,FEV1.0%,%MVVで改善傾向が見られた.②血液ガスは,PaO2に有意な増加が見られ(p<0.01),PaCO2では変化がなかった.③6MD,ADLスコアでは有意な改善が見られた(p<0.01).④Hugh-Jonesの息切れ分類がⅤ度の症例では呼吸理学療法後,グレードの改善は見られなかった. 今回,当院での慢性呼吸器疾患患者に対し集中的な呼吸理学療法を行うことで,ADLの拡大が認められ,その有効性が確認できた.We evaluated pulmonary function test (PFT), arterial blood gases (ABG), 6 minutes waking distance (6MD), ADL score and Hugh-Jones' (H-J) crassification at befopre and after chest physical therapy (CPT) on 31 inpatients with chronic respiratory diseases. We obtained the following results ; increase of %VC (p<0.05), FEV1.0%, %MVV, PaO2 (p<0.01), 6MD, and ADL score, but not of PaCO2. However, in grade V patients by Hugh-Jones' classification, CPT failed to improve their grade. These results indicate that concentric CPT is effective in improving ADL in patients with chronic respiratory diseases.
- 1992-03-31
著者
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