<研究論文>会話への積極的参加を示す発話の指導にむけて : 「残念ですね」を例に
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概要
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本研究は、会話への積極的な参加を示す方法の1つとして「残念ですね」を例にとり、日本人との接触場面において許容される、「あいづち+a[?]」としての使用条件の分析を行い、会話指導へつなげる方法を考察するものである。なお、本稿では、使用条件の分析結果について報告する。分析では、まず、①誰が「残念」か、②「残念」の感情を引き起こした原因の領域、③誰の行為/状況か、④人間関係という項目から、どのような状況で「残念ですね」が使用できるのかを分析した。この結果、①②の組み合わせから「残念ですね」が使用可能となる3つの型と③④との関係から、1)③誰の行為/状況か、2)④人間関係、3)「ね」の使用、に制限がみられた。次に、「残念ですね」が何に対して使用できるのかについても分析し、SL-SL、S-Lの場合は、ある「行為の不実現」、「行為の絡んでいない何かを失う/失った状況」の2つに対して、自分の感情として「残念ですね」を発話するのに対し、L-LはLのある「行為の不実現」に対してのみ、Lへの同情の気持ちとして「残念ですね」を発話できるということが明らかになった。
- 筑波大学留学生センターの論文
- 2003-02-22
著者
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