リンゴ,ナシ,モモ及びブドウの葉の純光合成速度とその関連要素について
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概要
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1. 飽和点以上の光量下で測定した場合の,リンゴ「ふじ」,ニホンナシ「幸水」,モモ「大久保」及びブドウ「ナイヤガラ」の葉の純光合成速度と,同化箱内気温,葉温,同化箱内湿度,蒸散速度,気孔伝導度,葉内CO2濃度,葉肉伝導度(純光合成速度/葉内CO2濃度)及び水利用効率(純光合成速度/蒸散速度)との相関を求めた。 4品種とも,気孔伝導度と純光合成速度との間には高い正の相関が認められ,湿度及び蒸散速度と純光合成速度との間にも正の相関が認められた。 気温及び葉温と純光合成速度との相関は低かったが,4品種とも,気温が約29℃あるいは葉温が約31℃を越えると,温度の上昇とともに純光合成速度が急低下する傾向が認められた。 葉肉伝導度と純光合成速度との間には,4品種とも,高い正の相関が認められた。水利用効率と光合成速度との間には,「ふじ」においてだけ正の相関が認められた。そして,気温と水利用効率との間には,4品種とも,高い負の相関が認められた。 2. 飽和点以上の光量及び気温が約25~29℃の条件下で,リンゴ,ニホンナシ,セイヨウナシ,モモ及びブドウの合計18品種について,純光合成速度,蒸散速度,気孔伝導度及び水利用効率を比較した。 18品種の純光合成速度は,13.7~16.7 μmol ・m-2・s-1(21.7~26.5 mg ・dm-2 ・hr-1)の範囲にあり,種類間の順位は高いほうからほぼ,リンゴ,セイヨウナシ,ニホンナシ,モモそしてブドウの順であった。 蒸散速度,気孔伝導度及び水利用効率は,種類・品種間に有意差は認められなかった。
- 信州大学農学部の論文
- 1990-07-25
著者
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