きのこ研究促進に関する近畿大学およびチェンマイ大学合同研究事業の進捗報告(1991-1993)〔英文〕
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概要
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記事区分:資料近畿大学およびチェンマイ大学は、タイ王国のきのこ栽培に関する研究事業を共同して進めてきた。本報は1991年から1993年1月までの研究の進捗状況報告である。タイ王国には、1)山岳少数部族の一部のケシ栽培、2)米価の低落を一原因とする稲作農民の疲弊、などの困難がある。一方、都市市場では、きのこが他の野菜にくらべ高価で販売されている。そこで、現地のきのこ生産法を改良しその地に適した品種の開発に成功して、これを普及できれば低地の小規模農民の中に収入を増加する家族のでる可能性があり、山岳民族の中にもこれにならう家族がでればケシからきのこ栽培への転換がいささかでも促進されるものと考察した。ここでは、事業の期間内の経過、北部タイ地方のきのこ生産現況の調査結果の一部、および上記考察にそう基礎研究の結果の一部を以下のとうり報告する。期間内に近畿大学担当教員は3回チェンマイを訪れ(SMKT92-1, SMKT92-2, SMKT93)、チェンマイ大学担当者との打ち合わせ、共同調査、および資料収集を行なった。チェンマイ大学からは、2名の担当者(Dr. Nuchnart JonglaekhaおよびMr. Smarn Chinbenjaphol)が近畿大学農学部に研修のため各1箇月間滞在した。進捗状況報告はつぎの各項について行なった。近畿大学: 北部タイにおけるきのこ生産の概要。北部タイで現在栽培されているヒラタケ属の主な同定(P. ostreatus, P. pulmonarius, P. sajorcaju ?)。所謂P. sajor-cajuとP. pulmonariusとの関係。日本産P. ostreatusの一菌株(PN87)とタイ国産P. pulmonariusの一菌株(PT88)の培養的性質の比較、および菌糸体ときのこの蛋白質の等電点電気遊動型比較。タイ国産P. pulmonariusの菌株PT88の自家交配による子孫およびPT88とPT89の交配による子孫の特性分析。チェンマイ大学: シイタケ菌の菌糸体成長に対するコメヌカと蔗糖の影響。シイタケ袋培養中におこる培養基のpH変化。培養基中のpara-rubber treeとrain treeおがくずの比が培養するPleurotus属きのこの収穫に及ぼす影響。おがくずの発酵期間の長さがそれをつかって培養したPleurotus属きのこの収穫に及ぼす影響。Pleurotus属きのこの菌糸体成長に及ぼすpara-rubber treeとrain treeおがくずの特性の比較。沸騰水によるおがくずの洗浄がPleurotus属きのこの菌糸体成長に及ぼす影響。
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