フーリエ変換を用いた補間近似を要さない高速エコーデータ生成法 : フーリエ変換を用いたエコーデータ生成法(その4)(アコースティックイメージング,非破壊検査,一般)
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概要
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我々は、デジタルフーリエ変換を通じた高速なエコーデータの生成法を開発している。偏向平面波送波における場合や、古典的な開口面合成におけるモノスタティック型等を報告しており、いずれも、通常ではフーリエ空間において必要とされる補間近似処理を要さない方法にせしめた。本稿では、これらを拡張し、まず、モノスタティック型における偏向ダイナミックフォーカシングを報告し、さらに、マルチスタティック型を報告する。このマルチスタティック型では、送信位置に対して複数個存在する受信位置の同一位置にて受信したエコー信号から成るエコーデータフレームを受信素子の数だけ生成し、周波数空間において、各々のエコーデータフレームに上記のモノスタティック型の開口面合成処理を施し、それらの処理結果を重ね合わせたものを逆フーリエ変換することを提案する。受信開口のチャンネル数と等しい回数の開口面合成処理でエコーデータを生成でき、いわゆるlow resolutionのエコーデータフレームを生成して重ね合わせてhigh resolution画像を生成する従来のDelay-and-Summation (DAS)法よりも格段に高速な方法である。また、これらのビームフォーミングを基礎として、送信固定フォーカス時におけるダイナミックフォーカス受信等を行うことも可能にした。その他、コンベックスやセクタスキャン、IVUSへの応用のために、極座標系において送受信したエコーデータに関してもJacobi演算を通じた処理を行い、補間近似処理なしに表示系のCartesian座標系において直接的にエコーデータを生成できることを提案する。マイグレーション処理においても同様に補間近似処理を施さずに処理できることを過去に報告しているが、本稿では、その結果も示す。以上において開発したデジタルフーリエ変換を用いたビームフォーミング処理を基礎として、任意直交座標系における任意ビームフォーミング処理を補間近似なしに処理できる様になった。主として、シミュレーションを通じて、実行可能性を確認した結果を報告する。
- 一般社団法人電子情報通信学会の論文
- 2014-02-14
著者
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