樹冠サイズを指標とした保全上重要な森林域の抽出手法の開発 : 北限域ブナ二次林への適用
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概要
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伐採履歴などに応じて空間的な不均一性の高い森林において、大径木の集中する生物多様性保全上の重要性が高い森林域を抽出するためのリモートセンシング手法を開発した。空中写真のオブジェクトベース画像解析による「樹冠サイズ指数」の算出を基礎とする手法を、北海道黒松内町のブナが優占する落葉広葉樹林に適用して、その有効性を検討した。樹冠サイズ指数は高木層の平均胸高直径および平均樹高に有意な正の効果を示し、高い樹冠サイズ指数の値で特徴づけられる大径木の集中する森林域は、ブナの優占度が高く、また森林性の林床植生が発達していることが示された。本指標が森林の生物多様性を把握するために有効であることが示唆された。
- 2014-05-30
著者
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石井 潤
東京大学大学院農学生命科学研究科
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大谷 雅人
独立行政法人森林総合研究所林木育種センター遺伝資源部
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松本 斉
東京大学大学院農学生命科学研究科生圏システム学専攻保全生態学研究室
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鷲谷 いづみ
東京大学大学院 農学生命科学研究科
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