焼酎用の主力品種'コガネセンガン'と近年育成した品種群の特性比較
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概要
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高でん粉,多収品種の「ときまさり」,「サツママサリ」,「コガネマサリ」は系譜上,比較的近縁関係にあるが,近交係数は小さく,標準栽培における収量は「コガネセンガン」と同等以上で年次変動が小さく安定している.また,でん粉歩留,でん粉収量ともに「コガネセンガン」を上回り,センチュウ抵抗性や貯蔵性も向上している.β-カロテンを含む「タマアカネ」のでん粉含量は「コガネセンガン」より10%程度低いが,収量は同等で直播適性を備えている.高でん粉,多収の上記3品種は,焼酎醸造時の純アルコール収得量が「コガネセンガン」より8〜20%多く,酒質は「サツママサリ」と「コガネマサリ」が「コガネセンガン」に比較的近いとされた.「ときまさり」と「タマアカネ」焼酎は香味の点で「コガネセンガン]と大きく異なり,前者はリナロールやゲラニオール,後者はβ-イオノンなどの微量香気成分の関与が予想された.特に「タマアカネ」は純アルコール収得量が低く原料コストが相対的に高いものの,これまでにない酒質は従来のいも焼酎と容易に差別化でき,商品ラインアップの拡充という点で有望な品種といえる.
- 2014-05-15
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