知識と経験との重ね合わせを推奨する講義は,学生の"学び続ける力"の形成に寄与するか
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概要
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教員に求められる資質能力である学び続ける力を教員の多くは獲得できてないことから,学び続ける力の礎と考えられる質問力と相対主義的認識論的信念を学生時点で獲得させることを目標に,大学の半期の講義を通して介入を行った.その際,講義内容は同じだが,講義内容を自身の経験と重ね合わせながら聞くことを推奨する講義(重ね合わせ条件)と特に推奨しない講義(統制条件)を行った.その結果,重ね合わせ条件の方が質問を多く生成していたが,半期の講義を通した認識論的信念の程度は,両条件とも変化していなかった.また,講義で感じる楽しさの内容は条件間で異なっていた.これらのことから,講義内容と経験を重ね合わせることで,様々な気づきが生まれやすくなり,この新たな気づきに楽しさを感じるとともに,疑問が生じやすくなり,質問を生成しやすくなるが,そういった気づきも,認識論的信念を変化させるまでには至らないことが明らかになった.
- 日本教育工学会の論文
- 2014-02-20
著者
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