コミュニケーション場面における責任帰属判断の発達 : 接触原理を中心に(コミュニティ,コミュニティとコミュニケーション及び一般)
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概要
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本研究では2つの実験を行い、幼児の道徳判断を成人のそれと比較した。具体的には、複数の人物が協働して作業にあたったところ,ネガティブな結果が生じる場面に対し責任帰属を求めることを通じて、集合的な共同プロセスに対する責任帰属にともなう困難やジレンマをどのように幼児が処理するのかを検討した。主に,接触原理に基づく道徳判断の発達的変化に注目した。被験者に提示した実験刺激のひとつでは、課題の解決方法を「提案」する人物と、提案に賛成したうえで「実行」する行為者が登場した。ひとつの条件では提案者が提案に加えて実行者の実行を手助けした。他方の条件では提案者は実行を手助けしなかった。提案者にネガティブな結果の責めをどの程度帰責するかを尋ねたところ、成人と6歳児では条件の効果が見られなかったのに対し、5歳児は手助けがあった条件において提案者に強く帰責した。このことから、合意形成・意思決定というコミュニカティブな側面を考慮した道徳判断は、物理的な顕在的な接触原理を抑制したのちに現れる可能性が示唆された。
- 2013-08-16
著者
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