「ディジタルパーソン」概念とプライバシー侵害 -情報倫理学とドラマトゥルギー理論による理解-
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概要
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本稿においては、ディジタル社会において今後さらに深刻さが増すであろう 「ディジタルパーソン」("digital person") の濫用に由来するアイデンティティの歪曲などの危害を説明し、この危害が社会参加の可能性そのものを脅かすことを論証する。この論証においては、情報倫理学者 Van den Hoven の道徳的アイデンティティ保護の観点からの個人データ保護論、および社会学者 Goffman のドラマトゥルギー理論 (Dramaturgy Theory) を重要な手がかりとして用いる。今後われわれはデイジタルパーソンのコントロール権を必要とするかもしれないが、この権利は改訂された EU データ保護規則で導入された忘れられる権利と同様に、表現・言論・報道の自由や情報の受信・流通による社会的利益と衝突する可能性が高く、これらの権利と社会的価値とを調停する一般的原則が必要とされる。
- 2014-06-26
著者
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