プライバシー論におけるコントロール理論の限界 : 自己アイデンティティ提示とプライバシーの文脈依存性(セキュリティ関係,一般)
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概要
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歴史的に見ると,技術や社会の変化に伴って,プライバシー概念は拡張してきた。情報技術の発達した1960年代以降,情報プライバシーに対する関心が高まっている。近年,情報プライバシー理論として,自己アイデンティティ情報とその提示をコントロールできるかどうかに着目する理論が,複数の論者によって提起されている。内在的価値である自律とプライバシーの関係をかなり明確に説明できることや,公共空間におけるプライバシー問題(とくに,データマイニング)に関する私たちの不安の理由を明晰に説明できる点で,この理論には確かに優れた面がある。しかしながら,どのような情報がプライバシーとなるかは文脈依存的であり,状況や文脈を無視して,情報のコントロールのみに着目する本理論には限界がある。
- 2010-06-24
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