モデリング能力育成を目的としたユースケース記述の自動評価手法(ソフトウェア工学,<特集>学生論文)

概要

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ユースケース分析は,システムに対する機能要求をユーザとシステムのやり取りとして明確に定義する有効な手段である.ユースケース記述は一般にテンプレートとして記述項目は定まっているが,記述は非形式的であり,適切に機能要求を分析できているかどうかの判断が難しい.UMLではフローやデータが可視化され,初学者でも曖昧性や不適切な表現に気付きやすい.本学ではアクティビティ図を用いてユースケース記述を行うことにより,後工程で役に立つ機能要求を明確に定義できるモデリング能力の育成を目的とした教育を行っている.モデリング能力の育成には,要求をモデルで定義する訓練が必須であるが,定義したモデルの良し悪しがわからないと改善は困難である.しかし,多くの学生に個別のレビューを行うことは難しい.本論文では,ユースケース記述の達成すべき目標に対して,初学者が起こしやすい問題点を分類し,その修正方法を個別指導できるように,ユースケース記述の問題点を指摘するレポートを自動生成する手法とその支援ツールを開発した.本手法を本学の授業に適用した結果から,問題点の改善度合いを分析し,その有効性を議論する.
2014-03-01