ネパール・デタール村住民の健康調査と歯周疾患罹患状況 並びに歯周病原細菌に関する調査
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概要
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ネパール中央部カスキ郡・デタール村住民の生活習慣を含めた健康調査,歯科検診,歯周病原細菌に関して調査し,以下の結果を得た。1.う蝕罹患状況・未処置かつ重症化したう蝕歯をもつ者が多い。一人平均う蝕本数が加齢とともに増加していた。う蝕処置をしている者が少なく,抜去している歯が多かった。2.歯周疾患罹患状況・歯周組織検査ではCPI:0(健全)の者はどの年代でも少なく,加齢に伴い重症化していた。 ・喫煙者と非喫煙者の比較では,CPI値が喫煙者の方が高く,喫煙と歯周病の関連性が示唆された。・ブラッシングの回数は2回者が最も多く,回数が多い者ほどCPI値は低値を示した。3.唾液潜血反応検査と歯周病原細菌検査・唾液潜血反応陽性者は95%だった。また,ブラッシング時出血自覚症状の有無と唾液潜血反応の結果は,ほぼ一致した。・歯肉に炎症ある者にPorphyromonas gingivalis(Pg菌)に対する血漿抗体価陽性の傾向が認められ,唾液潜血反応結果では潜血反応陽性者のPg菌に対する血漿抗体価は陰性の傾向が認められた。このことから,この地域の歯周病罹患率ならびにう蝕罹患率は高く,重症化していることが示唆された。
- 2014-03-31
著者
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野村 慶雄
神戸常盤大学口腔保健学科
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高柴 正悟
岡山大学大学院医歯学総合研究科歯周病態学分野
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福田 昌代
神戸常盤大学短期大学部口腔保健学科
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白銀 千枝
神戸常盤大学短期大学部
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RAI Shiba
SHI-GAN INT'L COLLEGE OF SCIENCE&TECHNOLOGY
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工藤 値英子
岡山大学附属病院
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小野 一男
神戸常盤大学
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溝部 潤子
神戸常盤大学短期大学部
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野村 慶雄
神戸常盤大学短期大学部
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