粒状アーモンドチョコレート製品におけるノシメマダラメイガPlodia interpunctella幼虫の被害と発育
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概要
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ノシメマダラメイガの1齢幼虫を粒状アーモンドチョコレート製品で飼育した時の発育を28℃,70%RH,16L8Dの条件で調べた.供試したチョコレート製品は,ロースト・ホールアーモンドに3種類の異なるチョコレート(ミルクチョコレート,ホワイトチョコレート,粗く砕いた柿の種入りミルクチョコレート)を掛けて包んだ形状である.各製品での個別飼育の結果,成虫羽化数はミルクチョコレートでは1個体,ホワイトチョコレートでは0個体,柿の種入りチョコレートでは4個体であった.発育日数は,ミルクチョコレートで149日,柿の種入りチョコレートで80,87,91,101日(平均89.7日)であった.集団飼育(n=30)では,ホワイトチョコレートで2個体の成虫羽化がみられた(発育日数は149日と109日).30個体の幼虫が一度に摂食した場合でも,表面のチョコレートを穿孔し内部のロースト・ホールアーモンドを加害することはなかった.今回の発育試験の結果から,日本において夏季に本種が粒状アーモンドチョコレート製品に産卵,幼虫侵入が生じた場合,成虫羽化までは80日以上かかると推測された.ロースト・ホールアーモンドでの28℃での平均発育日数は,雄では30.2日,雌では32.3日で,成虫羽化率は88.4%(n=26)であった.本種幼虫が何らかの理由で粒状アーモンドチョコレート製品のアーモンドを加害できた場合は,そうでない場合に比べ,著しく発育が短縮(28℃の場合は30日程度)されると考えられた.
- 2013-11-15
著者
-
宮ノ下 明大
独立行政法人農業・食品産業技術研究機構食品総合研究所
-
宮ノ下 明大
農研機構食品総合研究所
-
今村 太郎
農研機構食品総合研究所
-
宮ノ下 明大
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
-
西田 典由
愛媛県産業技術研究所
-
今村 太郎
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
-
古井 聡
農研機構食品総合研究所
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