回復期リハビリテーション病棟における複数回転倒する患者の関連要員 : アセスメントスコアシートを利用した予防に焦点をあてて
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概要
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当院回復期リハビリテーション病棟では、転倒転落は年間60件を超え、全インシデントの7〜8割を占めている。今回、複数回転倒の予防に焦点を当て、当院回復期リハビリテーション病棟入院中に転倒した患者108名(内複数回転倒28名)を対象に、転倒転落アセスメントスコアシートとインシデントレポートから複数回転倒に関連する要因を明らかにした。結果、ふらつき(p=0.021)、意識障害(p=0.035)、半側空間無視(p=0.043)、うつ状態(p=0.053)、付属品(p=0.082)、トイレ介助が必要(p=0.088)、尿意便意を我慢できない(p=0.079)の7項目と身体拘束(インシデント後の介入)(p=0.094)が関連要因であった。初回転倒時にこれらの関連要因を持つ患者には、必要な場面を再度評価し、看護師が見守る時間を確保することが必要であると考えられた。また、初回転倒後に身体拘束が必要と判断された患者は、1度目とは異なる場面での転倒する可能性があり、転倒のリスクが高いことを再認識して状況ごとにアセスメントする必要があることが示唆された。
著者
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関 和江
茨城県立医療大学付属病院 看護部
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脇田 泰章
茨城県立医療大学附属病院3A病棟
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糸嶺 一郎
茨城県立医療大学保健医療学部看護学科
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大塚 裕子
茨城県立医療大学付属病院看護部
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林 恵美子
茨城県立医療大学付属病院看護部
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