聴覚マスキングに基づく室内騒音の不快感低減手法(電気音響,音響一般,<小特集>電子情報通信分野における萌芽的研究論文)

概要

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近年,騒音問題において,騒音そのものの音圧を減少させる手法が一般的に知られている.しかし,寝室環境のような静穏時においては,エアコンや空調などから生じる音圧の小さな騒音でも不快に感じることが多く,その騒音の音圧を減少させるだけでは十分に不快感を低減させることは困難である.そのため,このような室内における騒音問題に対しては,その騒音の不快感を低減する手法が必要とされている.そこで本論文では,不快な音を別の音で覆い隠すことが可能な聴覚マスキングに着目し,室内における騒音に制御音を加えることで騒音の音圧を減少させることなく不快感を低減する手法及び制御音を提案する.具体的には,従来の聴覚マスキングの原理に基づき,騒音の周波数特性から騒音の不快感を覆い隠すことのできる制御音を生成する.更に,制御音の音源に人間が快音と感じる自然音を利用することで,より高い不快感の低減を目指す.提案法の有効性確認のため,騒音環境下において不快感を評価する主観評価実験を行ったところ,提案法により室内における騒音の不快感を低減できることを確認した.
2013-08-01