パラメトリックスピーカのためのスペクトル包絡に基づく復調評価指標の策定(音声,聴覚,<特集>学生論文)

概要

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パラメトリックスピーカは超音波を搬送波とする振幅変調波を放射することで超指向性を実現し,大音圧で放射された振幅変調波は空気の非線形性でひずむことで可聴音に自己復調する.復調された可聴音の周波数特性と音圧はこの復調の度合に依存するため,パラメトリックスピーカで目的音を再現するには振幅変調波が空気中で十分復調される必要がある.従来は再生される可聴音の音圧のみで復調を評価していたが,これまでに再生音の距離ごとの周波数特性や音質に着目した評価は十分に行われていない.また,距離ごとの復調の度合を表す指標も提案されていない.そこで,本論文では再生音の周波数特性に着目し,その概形を表すスペクトル包絡に基づく復調評価指標を提案する.具体的には,目的音や遠方の再生音と評価対象の再生音のスペクトル包絡の相互相関を利用する復調評価指標の策定を試みる.評価実験の結果,距離が離れるに応じて策定した評価指標の値が増加したことから,策定指標の有効性を確認した.また策定指標による帯域別の復調評価から,復調度が目的音の周波数特性にも依存することを確認した.
2013-03-01