リハビリテーション看護における熟練看護師の技:頸髄損傷患者の移乗に焦点を当てて
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概要
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頚髄損傷患者は障害が重く、多種多様な支援を必要とする。看護現場において熟練した看護師の知恵や技は日常の実践の中に埋もれており、それを言語化することでより効果的に看護が実践され、さらに後進がキャリア開発をする一助になる。今回、リハビリテーション期の頚髄損傷患者について、熟練看護師が持つ移乗の技を明らかにすることを目的に研究を行った。8名の熟練看護師に実際の患者の移乗場面を踏まえた半構成的面接を実施し、その結果、28のカテゴリが抽出された。熟練看護師は患者の個別的な移乗方法を熟知し、疼痛や不安が生じないように最大限配慮していた。自分の体格に合った移乗方法を取り、移乗前に十分な準備を行って移乗しやすい環境を作ることで患者と自分自身を危険にさらさないようにしていた。コミュニケーションを十分にとることで患者の思いに沿い、熟練看護師にとって患者の移乗介助は単なる乗り移りに終わらせず、患者の心身両面を包み込んだ移乗を行っていた。熟練看護師の言動には深い思いがこもっていることを明らかとなり、後進たちの道しるべになると考えられる。
- 茨城県立医療大学の論文
- 2010-00-00
著者
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