GH63に属するグルコシダーゼの構造と基質特異性に関する新しい知見(応用糖質科学シンポジウム)
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概要
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本研究では糖質加水分解酵素ファミリー63(GH63)に分類される真核生物と原核生物の2種類の酵素の構造機能相関の解析を行った。真核生物由来の酵素はプロセシングα-グルコシダーゼ1(EC 3.2.1.106)として知られ,タンパク質の翻訳後修飾の1つであるN結合型糖鎖の前駆体Glc_3Man_9GlcNAc_2の非還元末端側α-1,2-グルコシド結合を特異的に加水分解する。一方,原核生物由来の酵素の機能に関する報告はなく,GH63酵素の立体構造は明らかにされていなかった。糸状菌Aspergillus brasiliensis由来プロセシングα-グルコシダーゼIの大腸菌宿主発現系の構築と糖鎖に対する反応速度論的解析を行い,Km値がμMオーダーと低いことを明らかにした。大腸菌由来機能未知グルコシダーゼYgjKの立体構造をGH63タンパク質として初めて明らかにし,フッ化糖と変異酵素を用いたオリゴ糖合成を組み合わせることで,真核生物の酵素と基質特異性が異なることを明らかにした。
- 2013-05-20
著者
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殿塚 隆史
東京農工大学大学院共生科学技術研究院
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Tonozuka Takashi
Forage Crop Breeding Unit National Agricultural Research Center For Kyushu Okinawa Region
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西河 淳
東京農工大学大学院連合農学研究科
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宮崎 剛亜
東京農工大学大学院連合農学研究科
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西河 淳
東京農工大学・大学院連合農学研究科
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西河 淳
東京農工大院・応用生命化学
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宮崎 剛亜
東京農工大学・大学院連合農学研究科
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殿塚 隆史
東京農工大学・大学院連合農学研究科
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