大正12年盲学校及聾唖学校令の教育の質の改善に対する効果 : 公布前・後の実態比較に関する研究構想
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概要
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本論文の目的は、大正12年盲学校及聾唖学校令について、盲唖児の教育の質の改善に対する効果を実態的に検討する必要があることを示すために、いくつかの事例を分析することによって研究構想を提示することである。その結果、以下のことが事例的に明らかとなり、今後の研究の方向として示唆された。盲・聾学校令による県立移管は、財源不足をとりあえず解消したために、生徒数、とくに唖生と女性は増加した。他方で、貧しい生徒に対する対策が不十分であったために、彼らは就学できないか、中途退学を余儀なくされた。また、教育の施設・設備は充分には整備されなかった。県立移管は、私立校時代の支持基盤の弱体化、戦前の教育体制への組み込み、私立校時代の自由な教育運営の困難を生み、また、創設期とは異なる新しい経営の考え方を必要とした。
- 2013-03-29
著者
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